「よなよなエール」などのクラフトビールを製造・販売するヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)は、職場環境の向上と保管および出荷機能を強化することを目的に、物流拠点を長野県小諸市から同佐久市へ移転。新物流拠点「佐久長土呂物流センター」は5月7日から稼働した。

 

同センターでは、これまで離れた拠点で勤務していた法人・通販受注、物流加工出荷の部署が一つの拠点に集まることで、作業効率化を図る。さらに、倉庫内のオフィススペースを約2.7倍に拡大。倉庫の容量も、以前の拠点と比べ約1.5倍になり、より多くの製品を効率的に保管できるという。

 

また、拠点を移動することの副次的な効果として、ドライバーの労働時間を年間あたり合計約120時間削減できる見込みとも。同社は、「積み込みや荷下ろしを行うスペースが軒下に配置されており、雪などの悪天候の影響を受けないため、作業員の負荷低減や、積み込み・荷下ろしの作業の効率化も期待できる」としている。

 

同社は、「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、自主行動宣言を2020年8月14日に事務局に提出。以降、「リードタイム(出荷から納品までに要する輸送時間)の延長」の取り組みを継続して実施しているという。「主に関東地方・中部地方・近畿地方を対象に、『出荷後翌日納品』だった卸ろし先のうち、65%が『出荷後中一日納品』へと切り替わった。出荷から納品までの日数が伸びることで、集荷・配車の効率化が促進される。トラック1台あたりの積載率の向上、夜間作業の軽減など物流事業者の負荷を軽減する効果がある」としている。

 

同社は、「人手不足やさらなる物量の増加など、物流を取り巻く環境の変化への対応は近年ますます重要となっている。今後も持続可能な物流の実現を目指し、物流企業やドライバーにとってより働きやすい環境をつくるとともに、自然環境に配慮した物流を推進する」としている。

 

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