7時間の荷待ち 荷主にGメン調査か
トラックGメンの活動に対し、運送会社各社はさまざまな思いを抱いているようだ。大手鉄鋼メーカーの輸送を行う大阪府の運送事業者は、「昨年末、荷主にトラックGメンの調査が入った」と漏らす。
同社の荷主は、工場再編で荷物の積み込み場所が減少。「ひどい時には7時間も待機するようになり、運送会社だけでなくドライバーからもトラックGメンへ通報があったようだ」。同荷主は全国に工場を保有しており、大阪だけでなく、中部や関東でも同様の調査が行われた模様。国交省に確認したところ、「指摘については投書が存在している」としながらも、具体的な調査内容は明かさなかった。
同運送事業者は、「物流子会社や元請運送会社にも荷待ち時間の改善をたびたび訴えていたが、一向に改善されなかった。『このままでは2024年問題をクリアできない』と考えたどこかの下請事業者が、トラックGメンに調査を依頼したのだろう」と推測する。
(写真と本文は関係ありません)
同鉄鋼メーカーの仕事は、大阪を出発し、朝に中部地域での配送を終えてから、工場で宵積みして業務が終了するというもの。「以前は拘束時間が12時間を超えることもなく、2024年問題もクリアできると見ていた」。
しかし、工場再編で事態は急転。「待ちが長時間となり、現在は中部地域の配送を月曜午前に終えた後、下道で大阪に戻って宵積み。拘束時間が16時間をはるかに超えている」という。
同社は改善策として、宵積みを翌日の火曜日に行い、水曜朝に中部地域へ配送することを提案。同社社長は、「今まで毎日走っていたのが1日おきとなり、売り上げは低下している。当然、ドライバーの賃金にも影響が出ている」と訴える。
トラックGメンや国交省の調査後も、まったく改善は見られないという。「根本的な原因は積み込み場所が少ないこと。ソフト面だけでなくハード面の改善も必要なため、半分諦めムード」とため息をつく。
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