第231回:令和時代の運送業経営 労務トラブル実例編(28)
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【休暇・休業・休職対応編】㉘
「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウイルス影響の下で「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
今回も前号に続き、休暇休業休職対応編として運送業経営者が知っておくべき内容および労働関連法の改正に関し解説してまいります。
1.年次有給休暇の際の給与保障
年次有給休暇の際の給与計算方法に関するご相談が多くあります。
計算方法が誤っているとドライバーの不信感につながるので注意が必要です。
有給休暇の際の計算方法は「通常の賃金」か「平均賃金」です。最低賃金を基準とする支払いをしている場合は必要額以下となっている可能性があるため確認が必要です。
2.計算方法
運送業において、給与制度が所定内給与+出来高歩合給である場合、所定内給与と合わせ「出来高歩合給」を日数分保障する義務があります。
基本給が月給制の場合は「減額しない」こと、日給月給制の場合は日給額を支給することが必要となり、加えて出来高歩合給部分は「通常の賃金」の場合、(当月)歩合給額÷(当月)総労働時間数×1日所定労働時間数分を1日分の「出来高歩合給保障分」として支給することが必要です。
「出来高歩合給」は文字通り出来高で給与額を決めるため、経営者感覚としては「稼働していない休暇日」の給与を保障することに違和感があると思います。実際に支給していない会社も相当数ありますが、法的には支給義務があり、退職時等に係争となることもあるので注意が必要です。
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