完和物流(森末章博社長、岡山市南区)は新しい事業として、スマホ一つで完結できる収納サブスクサービス「ラクシマ」をスタートさせる。預けた荷物が自分のスマホで管理できる同サービスは利用者にとって、限られた住居スペースを有効活用できるうえ、探す・取り出すといった時間や買い物の重複などの無駄も省ける。

 

「例えば子どもがいて、荷物が増えてタンスが足りなくなる。でもトランクルームを借りるほどじゃない…そんなアパート暮らしの事情を社長に説明した」と、同社で営業を担当する則武正治氏(写真右)が発案。およそ1年半を費やし、運輸・物流業向けのパッケージソフト「車楽」シリーズなどで知られるオーユーシステム(南石拓哉社長、同北区)と共同事業の格好で進めてきたスマホアプリが完成した。

 

オーユーシステムにとっても「スマホアプリを作ったのは初めて。画面の設計など、とにかく一からのスタートだった」と営業本部AP営業1部の原田眞吾サブリーダー(同左)。ちなみにラクシマは「楽にしまえる」の意。

利用者はラクシマのアプリを使い、4つのサイズが用意された段ボール箱を選んで取り寄せ、荷物を入れ終えたら再びアプリで集荷を依頼。荷物を取り出したい場合もアプリを操作するだけとシンプルな設計。預けた荷物を利用者自身が箱に記入するノーマルプラン(税込み月額250円~)のほかに、一つずつ写真を撮影することでアイテム単位での取り出しが可能なフォトプラン(同300円~)もある。オプションでハンガー保管にも対応する。

 

段ボール箱の配達や集荷はヤマト運輸が行い、その先となる保管場所までの移送は完和物流の車両が担当。一昨年7月に稼働させた同社の営業倉庫を活用する。当面は岡山市内に限定したサービスとして実施。両社にとって初となるBtoCの取り組みでもあり、「車両と保管施設を備えた運送会社が手掛けるからこそ、安く提供できるメリットも生まれると思う」(則武氏)と期待している。

 

◎関連リンク→ 株式会社オーユーシステム