交通事故防止コンサルタントの上西一美です。事故を起こした運転者は、よく「自分は悪くない」と主張します。これは当然のことで、人間は、「自分は悪くない」という思い込みにより、安心を求めるからです。

しかし、ドライブレコーダーの映像を見ると、その運転者の過失は一目瞭然です。客観的な根拠により、運転者に過失を理解させることは可能となりましたが、相手の過失が高い被害事故に関してはそうはいきません。運転者は相手の過失にこだわり、どうしても「自分は悪くない」と主張を続けます。
このような運転者を放置すると、その被害事故から学ぶことがなく、運転行動を変えることもないので、次の事故を起こしてしまうことが多いです。

お客様の大切な荷物を預かっているプロドライバーは、被害事故も起こすわけにはいきません。過失が高い事故をしないことは当然ですが、もらい事故も防止し、荷物を守るのがプロドライバーの仕事です。

よって、いかに被害事故に遭わないか、いわゆる「防衛運転」がポイントになってきます。多くの事故を見ていると、運転者は危険予測まではしますが、そこで「自分の方が優先道路」「このタイミングでは自分なら出ないので相手も出てこないだろう」「このタイミングで今まで割り込まれたことがないので割り込んでこないだろう」という、過去の成功体験に基づいて防衛運転せず、事故をもらうことがあります。

防衛運転とは、「少しでも危険だと感じたら行動に移すこと」で、端的に言うと、「ブレーキを踏むこと」です。違和感を感じたらまずは減速。この運転習慣を徹底し、皆さんの会社での被害事故を削減してください。