ニトリホールディングス(似鳥昭雄会長、白井俊之社長、札幌市北区)のグループ会社で、ニトリの物流を支えているホームロジスティクス(同)並びにホームカーゴ(東京都北区)。8月1日付で両社の社長に就任した丸橋雄一氏にグループにおける物流網の整備と課題、2024年問題への取り組みについて話を聞いた。

─社長に就任されるまでの経歴をお聞かせ下さい。

私はニトリに2005年に入社し、店舗勤務で店長まで経験したあと、商品調達の部署を経て、11年に中国へ出向しました。中国では主に日本向けへの商品供給の業務を担当し、14年からは中国初出店に向けた物流網の構築に携わりました。

そして、2017年に中国現法の責任者となり、23年までの12年間を中国で勤務していました。ニトリに入社する前は、北海道の物流会社で社内SEの仕事をしていましたが、ニトリと比べると規模感が違いすぎて、ニトリで携わった物流の仕事は、ほぼゼロからの経験となりました。

─海外での長い勤務を終えて、グループの物流を支えているホームロジスティクス並びにホームカーゴの社長に就任されました。国内でも大規模な物流拠点の再構築が進められていますが、物流部門のリーダーとして、どのように携わっていかれますか。

現在ニトリグループでは、国内の物流拠点の再構築を進めています。しかしながら、時代とともに状況も変わります。ニトリには、一度決めた計画にとらわれず、常に現状に疑問を持ち見直す「現状否定」という文化があるので、当初立てた計画が今後も有効であるかどうかを、慎重に検討しながら進めていく必要があると考えています。
物流拠点の再構築とともに重要な足回りについても、状況にあわせて柔軟に対応できる組織にするため、当社は協力会社様と双方に利益をもたらす関係を構築していくことに力を入れています。

そのため、協力会社様と定期的に意見交換や情報交換を行う場を設けて、お互いに様々な提案を出し合うことで、良好な関係を築くことが重要だと思っています。

─目前に迫った2024年問題への取り組みについてお聞かせください。

当グループでは、アメリカから販売や物流に関して多くのことを学んでおり、物流の2024年問題に対しても、そこで学んだことを取り込んで解決したいと考えています。

すぐに取り組むべき問題の一つとして、ドライバーの労働時間の上限規制問題が挙げられます。例えば、荷役作業を効率化するためにはバラ積みではなく、カゴ車などの活用が有効ですが、それでは積載率が落ちてしまいます。

しかし、アメリカではその問題をある程度解決していると私は考えています。以前視察したアメリカの企業では、積載率の悪いカゴ車は使われず、基本的にはパレットに高積みして積載率と作業効率を両立させていました。当社では店舗のバースの形状などの理由で、そのままのやり方を取り入れることができません。

何が取り込めるのかはまだ、わかりませんが、新しいものを取り込んでいかなければ抜本的な対策にはならないので、これまでやっていなかったことにも積極的に挑戦していきたいと考えています。

◎関連リンク→ 株式会社ニトリホールディングス