第229回:令和時代の運送業経営 労務トラブル実例編(26)
【休暇・休業・休職対応編】26
「コロナ禍で頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで新型コロナウイルス影響の下で「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。
今回は前号に引き続き、休暇・休業・休職対応編として運送業経営者が知っておくべき「お休み」に関する内容及び労働関連法の改正に関し解説してまいります。
1.お休みの種類、定義
「緑ナンバー」を運転する場合は「雇用契約」が必要となり、「雇用契約」において、「お休み」の重要性が高まってきています。
雇用契約において、業務を「お休み」する種類としては、「休日」「休暇」「休業」「休職」が挙げられます。
2.休日とは
「休日」は文字通り労働の義務がない日であり、労働者の年間、月、週は「労働日」と「休日」で区分されています。
つまり、365日から「休日」を引いた日数が「労働日」となり、最低賃金や割増賃金の単価計算に必要な「平均所定労働日数・時間数」は就業規則や1年変形労使協定に必要な年間カレンダーで設定された「休日」日数で計算されます。「休暇」は平均所定労働時間数に関係ありません。
また、「休日」には「法定休日」と「所定休日」があります。「法定休日」は労基法により定められた「休日」のことで原則として週1回取得させることとされています。「所定休日」は「法定休日」以外に会社が任意で定める「休日」のことです。
例えば日曜日が「法定休日」の場合、出勤させた場合の割増率は135%となります。土曜日が「所定休日」であった場合には割増率は125%となります。原則として週1日の休みを取得させていれば135%の「休日労働割増」を支給する必要はありません。中小運送業において「法定休日」と「所定休日」は経営者、労働者共混同されることが多いので留意が必要です。
また、「休日」労働した場合の休日の付与方法としては「振休」と「代休」があります。休日を、休日労働前に特定する事を「振休」、休日労働後に特定することを「代休」と言います。「代休」の場合は25%分(125%―100%)の割増が必要となるため注意が必要です。
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