高度医療機器MRIの空き枠を活用したシェアリングエコノミー事業を手掛けるスマートスキャン(東京都中央区)は、ドライバー向けに「スマート脳ドック」を提供している。

 

脳MRI・脳MRA・頸部MRAの検査で、自覚症状がない脳の異常を早期発見できる同サービスは、料金が全国一律1万7500円(税別)。同社の濱野斗百礼社長は、「定期的に通える金額を目指した」と説明。法人契約も可能で、福利厚生として導入している運送事業者もあるという。

 

スマートフォンから予約でき、受付から検査終了まで30分程度という手軽さも魅力。「滞在時間が短いため、密にもならず、コロナ禍でも安心して受診いただける」とも。

 

撮影された脳の画像はクラウドに転送され、放射線科専門医と脳外科専門医が遠隔読影でダブルチェック。撮影画像や診断結果は自身のスマホで確認できる。

同社では出光興産と協働で、ガソリンスタンドや空港などで車両に搭載したMRIを使った出張脳ドックも展開。好評を博しており、「用意した検査枠がすぐに埋まってしまう状態」。

 

今年7、8月には、東日本宇佐美が神奈川県内で運営する129号相模原SSと東扇島SSの2か所で実施。受診費用は2万円(同)で、「検査件数は2SSであわせて約400件にのぼった」という。

 

「受けたいと思ったときに受けられる環境を整えたい。東扇島SSでは、出光興産さんや東日本宇佐美さん、地元医師会の協力を得て開催できた」と話す同社長。「『物流センターに持ってきてほしい』という声もいただいている」。

「だれも病気にならない世界をつくる」を合言葉にしている同社は、楽天出身の濱野社長が創業。「約10年前に大きなバス事故が起き社会問題になったが、健康診断で測定するのは大半が首から下だけということに気付いた。ドライバー職では特に『脳』も重要なのではと考えた」と振り返る。

 

創業から4年半で9万件以上を撮影し、132の医療機関と提携するまでに成長。「物流業界での脳ドックのニーズは高いと実感している。過酷な業務であるがゆえに、手軽に簡単に脳ドックを受けていただけたら」と呼びかける。

 

◎関連リンク→ スマートスキャン株式会社