福山通運(小丸成洋社長、広島県福山市)がプロドライバーの居眠り・漫然運転防止の安全管理基準を作ることなどを目的に、一昨年に広島大学(同東広島市)に設置した寄附講座で続けてきた研究の成果がこのほど発表され、衝突直前の居眠りの実態は、ごく短時間で自覚がない「マイクロスリープ(瞬眠)」であることが分かった。

同大の研究グループは、トラックドライバーが実際に起こした52件の居眠り運転事故を調査。特に事故直前の1分間のドラレコ映像を詳しく分析し、衝突直前の居眠りが「マイクロスリープ」だと突き止めた。

マイクロスリープは、居眠り運転事故の直前に頻発。また、関連行動は抗眠気行動、マイクロスリープ行動兆候、車両の挙動異常の3種類に分類でき、これらが衝突に至るまで時間を追って変化する過程が認められたという。

さらに、一般道路では追突事故、高速道路では側面の衝突事故が多いほか、若年層や夕方・深夜・早朝に多い傾向にあることも明らかに。研究成果は4月、学術雑誌「Accident Analysis and Prevention」に掲載された。

研究グループの一員でもある同社安全管理課の川口健吾氏は今回、居眠り運転事故の発生機序や危険な前兆が明らかになった点を、ドライバー教育の場で周知し、特に危険な居眠り運転事故の防止に生かしたいと話している。

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