愛媛合同物流 荷主と待機ゼロ実現、現場経験を今に生かす
平ボディーに特化し、長距離運行を得意とする愛媛合同物流(伊井哲也社長=写真左、愛媛県松山市)。経営層全員が運送の現場を長年経験したからこそできる配車やドライバー教育を行っており、荷主をはじめ県内外の同業者からの信頼も厚い。
同社は1998年3月に創業。トラックは約20台と少数精鋭で、主要な取引先に各種ボイラーなどを製造販売する大手メーカーがあるほか、黎明期からローカルネットワークシステムを利用。全国各地の仲間と交流を深め、研鑽を積んできた。
その同社でもやはり頭が痛いのが2024年問題だ。「月293時間、22日の稼働が精いっぱい。1台あたりの売り上げを落とさないような仕事を増やすなど工夫している」(社長)。取引先が全国区のため長距離運行に対応しやすい面もあるが、「運賃に少しでも転嫁できるような交渉や、帰り荷を確実に確保することも欠かさない」という。
全国各地で産官学によるトラック運送事業者の取引環境改善や、ドライバーの長時間労働の抑制の検討が始まった頃から、同社でも特に拘束時間は一層シビアに考えるようになり、全ての車両をデジタコで徹底して管理するようになった。平ボディーに欠かせないシート掛けの作業は社員教育の中でも特に時間をかけて丁寧に教え、手早く確実に行えるよう指導している。
また、長距離運行では土地柄フェリーを使うが、その時間を休息に充てるなどし、「長距離でも昼走って夜はしっかり休むドライバーがほとんど」と社長。グループ会社全体のマネジメントを行うGLINEの近藤順子社長(同右)は「創業者の代から、みんなドライバーとして現場を経験してきたからこそ、今いる従業員に的確な指導ができる」と話している。
ルールが厳しくなり変わった運送の現場。それに従いながらも同社の売りでもある配車にクローズアップした独自のシステム「イコール」を構築するなど、変化にも柔軟に対応している。
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