ISO方式ホイールが採用されて12年が経過する。「切り替え当時は整備不良が減ったが、その頃は新車だったトラックにも、そろそろ不具合が出てきて毎年脱輪事故が増えている」。そう話すのは、大型トラックやトレーラなど主に産業用車両タイヤの供給・販売を展開する東港タイヤサービス(愛知県東海市)の前田尚紀社長。JIS方式では進行方向にナットを締めるため、走ると締まることからナットの緩みによる脱輪は少なかったというが、ISO方式では左右ともすべて同方向に締めるシンプルな構造ゆえに、左側が特に緩みやすい傾向にある。目視ではわからないこともあり、前田社長は日々の点検の重要性を強調する。

脱輪の原因には締め忘れのほかに、緩みを心配して締め過ぎ、ハブボルトが伸びて折れてしまう場合もあるという。緩み対策としては「マーカーペンでハブボルトとナットに線を引いておくこと」を提案する。そうすれば緩むと線がずれるのでわかりやすいそうだ。

前田社長は「冬タイヤへの交換を機に、しっかりと点検してほしい」と話し、「車体を支える重要なパーツ」としての認識の共有を図りたい考えを示した。

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