運行条件を入力するだけで、運行計画から配車指示書まで自動で作成し、配車マンの負担を大幅に軽減してくれるサービスがある。富士通交通・道路データサービス(FTRD、有山俊朗社長、川崎市幸区)が提供する適正運行ルート策定支援サービス「ToXYZ」だ。商用車23万台の走行実績という膨大なデータを背景に、トラック運行に最適な運行計画を簡単に策定するという同サービス。単なるコスト軽減だけにとどまらず、物流DX化を促進させ、ひいては業界の社会的価値を高めていくのかもしれない。

FTRDが提供する「ToXYZ」は、出発地や目的地、経由地などの必要な条件を入力し、経路探索ボタンを押すだけで、最適な運行計画を策定するというもの。

ビッグデータをもとに、トラックが走行できる最適なルートをはじめ、休憩・休息地点なども多くの利用実績から選定される。

特筆すべきは、連続運転4時間などの改善基準告示が織り込まれているという点で、法令順守に沿った運行計画が策定できる。

さらに、車幅や車重、車高の規制情報に加え、商用車の実績がある経路を選択する一方、速度なども商用車の走行実績をもとに算出されるため、策定された運行経路や所要時間は、より信頼性が高くなる。

同社物流関連データサービスTeamの吉川勇人シニアディレクターによると、トラック10台の運行計画を策定した場合、実際に配車マンがルート選定や休憩地点の選定などを行うと、210分掛かるところ、「ToXYZ」では、僅か30分で策定でき、3時間の短縮につながるという。

さらに、負担軽減だけでなく、物流DX化を促進するとともに、法令順守に沿った運行計画が示される。策定された運行計画は、所要時間や距離も誤差が少なく信頼性が高いため、働き方改革やホワイト物流への対応も可能となり、社会的価値を高める可能性もあるとしている。

同サービスを活用するにあたっては、運行計画1回あたり100円で使用できる。

すでに物流大手の日立物流が導入しているという同サービスだが、吉川氏によると、今後、商用車リアルタイム情報提供サービスとの連携を行い、渋滞回避や遅延時間の検出などをよりリアルタイムで行えるようサービスの拡充を図っていくとしている。

 

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