「町工場の技術と想いをECにのせて届ける」をスローガンに掲げるrefactory(リファクトリー、宮崎県宮崎市)は、岐阜バッテリー販売(岐阜県羽島郡)と協力し、電動式フォークリフトのバッテリーの状態を遠隔監視するための新システム「バッテリーロガーBLー100」の普及を進めている。

同システムは、パソコンやスマホでバッテリー情報を確認でき、異常時にはメールで通知されるというもので、アマノ(横浜市港北区)と岐阜バッテリー販売が共同で開発。同社の夏目雅之取締役は、「バッテリーの状態を見える化することで、過充電や長時間の連続充電、長期間の未充電、過放電、液不足といったバッテリーの短命化につながる状態を防げる」と説明する。

温度、電圧、液面の3つのデータは5分に1度取得、直近の2時間分がクラウドに蓄積される。「バッテリーの状態だけでなく、各車両の稼働状況を管理者が遠隔地で確認でき、メンテナンス工数の削減にもつながる」と胸を張る。

「稼働状況や使用状態が可視化されることで、最適なバッテリー容量を提案できる」とも。「実際の稼働状況に比べて、バッテリー容量が小さく、無理が生じている現場もあった。『次回、買い替えの際はバッテリー容量を一回り大きなものに』と、ユーザーそれぞれの業務に適した提案できる」。

搭載可能となるバッテリーの電圧は、24V、36V、48V、70V、72V、80Vで、電動式フォークメーカーの様々な型式に対応。「導入には1台あたり30ー40分程度の取り付け作業が必要だが、自前の整備工場でも取り付け可能」と解説する。

2022年3月以降の正式リリースに向け、約650台の車両に搭載して実証実験を行っている同システム。夏目取締役は、「バッテリーの状態が見える化したことで、ユーザーからは『オペレーターの管理意識が非常に上がった』という感想をいただいた。アラートはレベル1から3まであるが、レベル1すら鳴らないらしい」と目を細める。リファクトリーの安田慎太郎専務は、「4G・LTE回線を利用しているため、基本的にスマホの電波が入る場所であれば問題なく利用いただける」とし、「当社は、いわば拡声器のような役目。良いものを、ネットを通して多くの人に届け、ネットを介したユーザーとのやり取りを全力でサポートしたい」と語る。

なお、岐阜バッテリー販売では、交換バッテリー「GB Traction Battery」の取り扱いも行っている。夏目取締役は、「メーカー純正バッテリーと同等の品質で、見積もりから交換まですべてお任せいただける。コストも、メーカー系ディーラーによる交換と比較すると、最大で40%ほど抑えられる」とし、同システムは来春からバッテリーに標準搭載される。

 

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