【歩合給設計編】105

「頑張る運送業経営者を応援します!」というシリーズで「令和」時代の運送業経営者が進むべき方向性、知っておくべき人事労務関連の知識・情報をお伝えしています。

今号は前回に続き「歩合給設計編」として時間外上限規制(2024年問題)への給与設計面での対応について解説してまいります。(その15)

1.歩合給を採用していない会社の実情
当社のお客さまには歩合給を採用している会社が一定数いる一方で、歩合給のない会社もあります。ルート配送などの固定的な運行の場合には歩合給を導入する必要はありません。

固定的な運行にも関わらず「運賃歩合給」を実施している会社がありますが、見直したほうがいいでしょう。また、大型を運行した日には日数分の「大型手当」を歩合給として支給するなどの方法は、基準が日数であることから歩合給とはいえないので注意が必要です。大手引越会社の裁判の影響で「歩合給」そのものが争点になっていることに留意する必要があります。

さて、歩合給のない会社の場合は「時間基準」で給与計算する必要があります。「定額時間外手当」「定額深夜手当」などを使用し、月額給与を固定給化している会社もあります。

24年問題への取り組みで「時間管理・把握」することが必要となり、給与面でも時間精算する仕組みが各社でスタートしています。

そのようななかで固定的な運行とはいえドライバーごとに店舗件数、積み・下ろし回数が異なる場合、手積み・手下ろしなど作業量に差がある場合もあるが、時間精算であるためにそのような運行内容の違いが加味されていないこと、また、効率よく仕事を進めている若手ドライバーから、仕事に時間を要する中高年ドライバーに対する「不満の声」があがっているのも事実です。時間精算型の場合は残業時間数が減らないといった問題点を抱える会社も多いのが実情です。

そのような会社では「評価制度」により対応している会社もありますが、「評価制度」は評価をする側のスキルアップが不可欠であること、評価を受けたくないために異業種から転職してきた方も相当数いるのが実情、短期での離職につながるなど、導入は容易ではありません。

2.自社に合った給与制度を
どのような給与制度を採用するにしても「自社に合った給与制度」にすることが最も重要です。その場合には「自社の理念」や「採用したドライバー」への思いを給与制度に盛り込むことが必要です。

給与制度に正解はなく、常に自社に合っているか、ドライバーがどう感じているかについて自問する必要があります。一度決めた給与制度はできるだけ長く運用することが大切で、そのためには幹部やリーダー格のドライバーの意見も聞きながら検討することが必要です。