2024年に向けて運送事業者は時間外労働を短縮する必要があるが、「月80時間以内に収められる可能性は皆無」という声も多い。

大阪府堺市で鋼材輸送や海コン輸送を展開する運送会社の社長は、「現状の賃金を維持するためには、運賃を3倍に値上げしないと経営が成り立たない」と話す。

「現在、当社のドライバーの賃金は、月6000kmの運行で、社保負担などを含めて約60万円。時間外労働が80時間以内になった場合、正直、20万円程度しか払えない」という。

 

大阪市浪速区に本社を構え食品輸送を展開する運送会社の経営者も同様の意見。「関東への長距離が中心だが、2024年問題をクリアできるような運行形態にすると、現状の運賃ではドライバーの給与は到底維持できない」と語る。

「いまは月に約1万km走ってもらって、賃金が社保含めて月70万円余り。運行回数や走行距離が減れば売り上げも減少するので、2024年問題に対応すると、いまのドライバーの給与を維持するのは厳しい」と説明する。

やはり大幅な運賃値上げは必須と言える。