静岡県の清水港で活動する8つの港湾物流企業が、環境負荷低減への取り組みを加速させています。この度、各社が水素を動力源とする自動車をそれぞれ1台、計8台を協力して導入しました。採用されたのは、トヨタ自動車の「クラウン」と「MIRAI」といった水素燃料電池技術を搭載した車両です。

 

この画期的な取り組みに参画しているのは、鈴与を筆頭に、天野回漕店、アオキトランスなどの地元企業群です。さらに清和海運や鈴与の関連会社3社（清水運送、清水倉庫、清水ユナイテッドエージェンシー）に清水埠頭を加えた多様な企業連合が形成されています。

 

皆さんは、この地域で2025年3月にENEOSが開設した「静岡清水水素ステーション」をご存知でしょうか？この施設は清水製油所の跡地に誕生し、再生可能エネルギーを活用したグリーン水素の生産機能を備えています。今回の企業連合による取り組みは、この施設の稼働を契機に始まったのです。

 

なぜ清水港でこうした動きが活発化しているのでしょうか？それは、国土交通省の指針に基づき静岡県が主導する「カーボンニュートラルポート形成計画」の重点港湾として、清水港が位置づけられているからです。この計画では、港湾地域全体での二酸化炭素排出量削減が求められており、参画企業は水素車導入を通じて、この目標達成に貢献しようとしています。

 

この試みは単なる始まりに過ぎません。参加企業は今後、水素の活用範囲をさらに広げるとともに、港全体の炭素中立化に向けた様々な取り組みを推進していく予定です。また、水素供給拠点の整備状況や実際の運用経験を踏まえながら、環境対応車両の追加導入も検討されています。私たちの身近な港から、持続可能な物流の未来が始まろうとしているのです。

 

 

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