2023年11月25日、三菱ふそうトラック・バスが電気トラック「eキャンター」に関する技術展示会を実施しました。従来型ディーゼル車と電動車を同一生産ライン上で製造する画期的な「混流生産方式」を公開し、業界関係者の注目を集めています。

 

生産ラインでは、通常のディーゼル車の流れに電動トラックが自然に混ざり合い、製造効率を落とすことなく両モデルを同時生産しています。エンジン搭載位置にバッテリーを取り付けるなど工夫を凝らした設計により、生産スピードを維持しながら異なる駆動方式の車両を製造可能にしたのです。欧州拠点でも同様の混流体制を採用し、グローバルな生産戦略を展開しています。

 

さらに注目すべきは、使用済みバッテリーの再利用プログラムです。電動トラックで使用後、性能が70%程度まで低下したバッテリーを回収し、定置型蓄電システムとして再活用。このシステムは急速充電器の電源としても機能し、高出力の電力供給を可能にします。特殊なマトリックス結合技術により、劣化度合いの異なるバッテリーを効率的に組み合わせて利用できるのが特徴です。

 

バッテリーのライフサイクル管理は製造から廃棄までを一貫して行い、トラック本体とバッテリーの所有を分離する新たなビジネスモデルも検討中とのこと。最終的には独自の「TMR」技術によって、使用済みバッテリーから貴重な素材を回収し、環境負荷の小さい形で再利用する取り組みも進行中です。

 

この一連の取り組みは、商用EVの普及における大きな課題だったバッテリーの寿命と処理問題に対する具体的な解決策を示しています。あなたの会社でも電動車両の導入を検討する際、こうした循環型システムの存在が、判断材料の一つになるかもしれません。

 

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