「他人が使ったトラックで仕事をするなんて考えられない」—こう断言するのは、23年間コンテナ輸送に携わってきたベテランドライバーだ。彼は共有車両に乗ることを避けるため、独自の「専用車確保作戦」まで実行している。

 

なぜそこまで自分専用のトラックにこだわるのか。シートやハンドル位置の再調整が面倒なだけでなく、過去のトラウマも関係しているようだ。業界初参入時、1988年登録の老朽化した車両を突然割り当てられ、頻繁に別車両への乗り換えを強いられた経験が心理的抵抗感を生み出したのではないだろうか。

 

キャビン内の不衛生な状態や、他者の使用痕が残る運転席に座る違和感も拒否感の一因だろう。あなたも他人が使ったオフィスの椅子や道具に違和感を覚えることはないだろうか。

 

しかし業界では、運転者交替式の中継輸送拡大に伴い、車両共有化の流れが加速している。複数ドライバーへのヒアリングでは、「専用車への強い執着」が圧倒的多数派だった。

 

一方で共有体験から得た学びも無視できない。様々なトラックを操作した経験が、故障時の応急処置能力向上につながったという声もある。

 

「壊したらお前のせいだ」と責められた記憶や、工具や備品を車両間で移動させる煩わしさ—こうした体験が「乗り回し拒否」の根底にある。あなたの職場でも、共有リソースと専用設備のバランスは悩ましい問題ではないだろうか。

 

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