2023年11月から本格稼働し、ZOZOの5拠点目となる物流拠点「ZOZOBASEつくば3」(茨城県つくば市)の休憩室は、「従業員の方をワクワクさせる」をテーマにデザインが進められた。

 

1階と5階の休憩室の基本計画から施工まで担当したのは、乃村工藝社(奥本清孝社長、東京都港区)。商業施設、ホテル、博覧会、博物館などの企画やデザイン、設計、施工から運営管理までを⼿掛ける空間の総合プロデュース企業だ。

 

プロジェクトメンバーであるデザイナーの小杉今日子氏は、「ファッション事業を展開するZOZOでは、働く方もファッション好きな方が多い。休憩室も気分が上がるようなテーマを考案した」と話す。1階はデニム、5階はプレイド(格子柄)と異なるコンセプトで、「『今日何着ようかな』と気分で選ぶファッションのように、『今日はここで休憩しようかな』と場所も選べるようにした」と小杉氏。1フロア内でも「リラックス」「コミュニケーション」とエリアを緩やかに分け、気分と用途によって選べる工夫を凝らした。

 

さらに、この休憩室で目を引くのが壁面アートや装飾の数々。使用されている素材は、ブランド古着を取り扱う「ZOZOUSED」の販売基準に満たない古着で、全てオリジナルで制作されたという。デザインディレクターの藤田倫康部長は、「社会的に服の廃棄が問題とされるなか、アートに昇華することで1人でも多くの方が問題に気づき、捨てるのをやめよう、リサイクルしようというサステナブルな機運に持っていけたら」と語る。

 

また、近年の物流施設増加に伴う傾向について、「従業員が待遇の良い施設へ移る傾向が見受けられる。施設の差別化を図りたいという課題からお声掛けいただく機会が増えてきた」とし、これまで取り扱った物件のなかでも同施設は、「集大成」という。

 

「無機質で機能性重視な物流施設から脱却し、企業ブランディングや従業員満足度の向上を目的としたデザインに予算をかけるお客様が増えてきた」と営業推進本部の菊池沙希氏。「ZOZOの持つ企業イメージ、福利厚生を体現する空間をデザイン・機能的にご提案させていただいた」と話す。

 

実際にZOZO担当者からは、「お洒落かつ癒しの空間で、アルバイトスタッフの満足度は高い」との声が寄せられ、離職率や採用面の効果については、「採用広告で使用している休憩室の写真はZOZOBASEの魅力を伝える重要な要素となっている」と明かす。

 

物流が社会機能を支える要であるにも関わらずネガティブなイメージがあることについても、「今回の施設のように仕事への誇りや働きがいを醸成する職場環境づくりが広がることで、良い印象に近づけたい」と藤田部長。「物流施設というと、効率性を重視した無機質な空間だが、それも凄くかっこいい」とする一方、「休憩場所は、人間に究極に寄り添った空間にしてもいいのではないか」と提案する。

 

◎関連リンク→ 株式会社乃村工藝社