電源ドナー協会(菊竹玉記代表理事、イーコース社長)は7月14日、設立発表会を開催した。

 

同会はフォークリフトやトラックのバッテリーを停電時に、簡易的な緊急給電拠点「電源ドナー」として提供する活動の普及、啓発を目的としている。

 

同協会には、大竹英明(三信倉庫社長)、曽根和光(ダイワコーポレーション社長)、髙橋大輔(協和運輸倉庫社長)の各氏が理事として参加。今後、物流企業に限らず、荷主企業にも参加を募る方針だ。また技術的バックアップとしてエナジーウィズが協力している。

 

アプリで情報提供

 

電源ドナーは専用のアプリを通じ、緊急時に充電拠点を必要とする患者に情報提供が行われる。協会企業側はトラック、フォークリフトから電力を供給可能とする専用アダプタを用意し、自社拠点から充電、またはバッテリーのレンタルなどを通じて支援を行う予定。被支援者の下までトラックを派遣するかは、ケースバイケースとなる。地域の防災訓練への参加も視野に入れている。

菊竹氏は「電源ドナーとなることで物流企業が、地域社会にとってより身近な存在になることができれば」とし、「人口の多い首都圏や東海エリアで電源ドナーを求める声が多い。これらのエリアでは特に積極的に参加者を募りたい」とコメント。

 

人工呼吸器に

 

発表会には来賓として、東京難病団体連絡協議会に加えて、日本ALS(筋萎縮性側索硬化症)協会の愛知県支部、東京都支部が参加した。同協会は、常に電力を必要とする人工呼吸器が停電時に支障をきたす課題をあげ、大規模自然災害時に十分な公的支援が届くまで自助が必要とされる災害発生後72時間まで個々人が携帯するバッテリーが保たない課題を指摘している。

 

ALSは筋肉が徐々にやせていき、力が入らなくなる指定難病。呼吸に関わる筋肉も例外ではなく、病状の進行に伴って人工呼吸器が必要となるケースもあり、その患者にとって電力は生命線となる。