ウズベキスタン共和国は国外への人材送り出しを積極的に行っており、ヨーロッパ諸国にトラックドライバーを多く輩出している。

人材の送り出しに積極的なウズベキスタン政府との間で「運送業向け特定技能人材育成に関する覚書」を5月29日に締結した、特定技能制度登録支援機関のProud Partners(鈴木竜二社長、東京都新宿区)。

同社は、日本の交通ルールを前提とした安全運転を基礎から徹底教育することで、日本国内の運送を支える即戦力を育成したいと考えており、覚書を締結したウズベキスタン政府と6月から「運送業向け特定技能人材育成プロジェクト」を開始した。

同プロジェクトではウズベキスタン政府と共同で、トラックドライバーを育成する学校を運営し、日本の運送業における人材不足の課題を解決するため、安全運転技術を身につけた即戦力ドライバーを育成する。

鈴木社長は「ウズベキスタン人はまじめで温厚な人が多いという印象を持っている」とし、「運送業は人命にかかわる仕事でもあると思うので、日本語教育はもちろんのこと、日本の交通ルールもしっかりと教育したい」としている。

ウズベキスタン共和国移民庁のムサエフ長官は「ヨーロッパ諸国がウズベキスタン人をドライバーとして多く採用しているのは、アルコールを飲まない文化であるということと、これまで大きな問題が起きていないからだが、会社を辞めたり、転職したりということはある」とした。
そのうえで「採用してくれる会社は求職者に対して、給与、寮費、手当、労働時間など詳細な就労条件を最初に提示することが非常に大事で、受け入れ体制や丁寧なサポートもあれば、多くの人が定着してくれると信じている」と話した。

Proud Partnersが調べたヨーロッパ諸国のウズベキスタン人ドライバー受け入れ状況によると、ポーランド3000人、ラトビア600人、リトアニア500人、ドイツ200人、ルーマニア200人、ハンガリー150人、スロバキア100人、ブルガリア100人と、実際に多くを輩出している。

トラックドライバーになる人が多い理由として「賃金の良さ」が考えられる。ムサエフ長官は「トラックドライバーの賃金は、ウズベキスタン国内で月14万~15万円」だと述べた。

鈴木社長は「ヨーロッパでは、多く輩出しているポーランドで月14万~15万円。ヨーロッパ諸国で40㌧車ドライバーが月約39万円」とし、「日本では28万円くらいからなので、これに住居などの環境が整っていれば、ドライバーの仕事に就きたいというウズベキスタン人は十分にいるのでは」としている。

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