全ト協(坂本克己会長)はこのほど、「物流の2024年問題対応状況調査結果」をまとめ、公表した。

 

運送事業者への質問は全34問。「時間外労働の上限規制(年960時間)順守の見通し」では「全ドライバーが順守」は64.4%、「大多数のドライバーが順守」は25.8%で、合わせると9割超となった。また「改善基準告示順守」では約7割が「守れている」と答え、「守れていない基準」で最も多かったのは「1日の拘束時間」で59.3%。以降、「1日の休息期間」「1か月の拘束時間」「運転時間」「連続運転時間」と続き、「守れない原因」では「運転時間の長い輸送」が48.0%、「荷待ち時間が長い」が40.9%、「荷役作業の時間が長い」が32.2%と回答。

 

対策では「荷主等との交渉」が63.9%で最も多く、「ドライバーの労働・拘束時間」は「おおむね短くなった」が56.8%と半分強、「変化はない(横ばい)」が41.1%。「1年以内に賃上げを行った」事業者が4分の3を占めたが、依然、62.3%がドライバー不足状態となっている。

 

「運賃交渉」は約94%が引き上げを実現し、実現の理由として「荷主との良好な信頼関係が構築されている」をあげた事業者は81.9%となったが、「希望通りの運賃・料金引き上げ」は20.2%だった。一方、「運賃交渉をしていない」事業者の理由は「仕事を切られる、発注量を減らされる」というネガティブな理由が19.4%だった。「2024年問題克服の課題」では「適正な運賃・料金の収受」が72.6%で最多となった。

 

荷主企業への質問は22問で、「2024年問題による事業への影響対応」では、約6割が「影響が生じている」とし、このうち「対応がおおむねできている」は35.5%にとどまった。「具体的な影響」は「物流コストの増加」と、全体の8割が回答。「物流の2024年問題」は9割が知っていたが、「ガイドライン」および「物流効率化法」を知っていたのは約6割で、「ガイドラインに基づく業界の自主行動計画を知らない」は6割、「知っている」は約2割であった。

「荷待ち・荷役時間の削減」に約半数が「取り組んでいる」一方で「取り組む予定がない」は3割だった。「運賃値上げ」に対しては「応じた」が全体の9割を超えた。

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