北海道物流開発(斉藤博之会長、札幌市西区)は昨年11月から、「北海道大学デジタルリスキリングプログラム(DREP)」の受講を開始している。

DREPは、運営する北海道大学総合イノベーション創発機構と協定を締結することで、道内の企業・団体なら無償で高度なデジタルの研修がオンラインで受講できる。昨年10月から提供が開始されており、道内の行政機関や大手企業など約60社・団体が活用している。

同社では昨年10月、DREPの開始直後に運営事務局に問い合わせ、11月25日に協定を締結、受講する体制を整えた。グループ4社の従業員なら希望者は誰でも受講できるが、基本的に幹部や管理者、事務職員などの受講を想定。自主性を重んじて、強制はしていない。

斉藤会長は「DREPを通じて、デジタルリテラシーの底上げを図りたいと考えた。当社では北海道でフィジカルインターネットの構築をめざしており、自社だけではなく多くの物流企業にも活用を勧めている」と話す。

「北海道の物流を最先端のものにしていきたい。そのためには、物流のみならず、デジタルのリテラシーを高める必要がある。物流は、運賃、時間、積載量、売り上げ・利益などデータの宝庫。こういったデータを方面別、曜日別などさまざまな視点から分析・活用する能力が備われば、物流企業が取引先に対して『情報を発信する』立場になる。このような能力が今後問われてくる」とする。
同会長は、コロナ禍の時期に大学で情報処理について4年間学び、学位を取得。「物流業は情報処理業」との持論を持ち、道内外の大学生に向けて「物流×デジタル」の相性の良さについて、講義などを通じて発信している。

「子どもがプログラミングをしていても、大人は『ゲームをして遊んでいる』と捉えることもある。デジタルについて、アップデートすべきは大人。学生に『物流とデジタルの両方のスキルがあれば、食いっぱぐれることはない』と話すと、理解を示すケースが多い」とも話す。

新規事業開発部の佐藤忠部長は「荷主やシステム企業と交渉や協働をする際、デジタルに対する理解が同程度でなければ、『丸投げ』となってしまいかねない。今後、フィジカルインターネットの構築に向けて、システムの開発や連携に広く取り組む必要が出てくるが、DREPは、荷主やシステム企業などと同じ土俵に立って話をする能力を培ういい機会」とし、「非常に勉強になる」と実際に受講した感想を述べている。

◎関連リンク→ 北海道物流開発株式会社