現在、物流をはじめ、バスやデータセンター事業、経営コンサルなど幅広い業種の企業を有するナオヨシ(東京都千代田区)。3月にナオヨシグループの物流中核企業である井ノ瀬運送、中部冷蔵、中部ロジの3社を統合し、「ワンロジスティクス」に社名変更した。

同グループを束ねる井ノ瀬広和社長は、会社設立やM&Aを通し、今や多様な業態の会社を経営しているが、もともとは飲料関係の物流子会社を経て、2002年に家業である井ノ瀬運送に入社。

井ノ瀬社長は「常務として井ノ瀬運送に入社したが、物流現場のことはわかっても、経営に関してわからないと思うことが多かった」とし、「業務に携わるなかで、税理士や弁護士とも対等に話せるようにならなくてはと痛感した」という。

そこで知り合いのコンサルタント会社で働きながら、多様な業界をみて、会社経営について学んだ。

2009年にナオヨシを設立し、コンサル事業を続けながら、2018年に父親である喜一氏からバトンタッチし、井ノ瀬運送の3代目の社長に就任した。

一方、2019年にナオヨシを本格稼働させ、中部冷凍や中部ロジをグループ化するなど、M&Aを軸に事業拡大を図っていく。

今年1月には新たなコールドチェーン構想を構築する事業の一環として、富山県富山市に富山西センターを開設した。同構想は、全国に拠点を設け、拠点間を4時間で結ぶネットワークを構築するというもので、井ノ瀬社長はコンサル事業で培った知識や人脈を駆使し、海外の投資家を絡め、センター建設を進めている。

今回、ワンロジスティクスへの社名変更は、「同じグループになって時間も経ったことで、統合できる環境が整った」とし考案。ワンロジスティクスには「3つが1つ Only Oneを目指す 働く人々それぞれが1番」という意味を込めた。

井ノ瀬社長は、「運送業界は深刻な人手不足といわれているが、その仕事をやりたいと思える仕事にしていく必要がある」とし、「まずは一緒に働きたいと思える会社を作っていきたい」と話している。

◎関連リンク→ ナオヨシ株式会社