ステアリンクの「アイナビワークス」 ベトナム人ドライバーの採用をサポート

中古トラック販売のステアリンク(栗山仁社長、千葉県佐倉市)は、ベトナム人ドライバーの採用をサポートする新サービス「アイナビワークス」を開始した。マーケティング部の鵜澤由衣課長は、「法律の改正と世の中の課題を解決したいという当社の考えが合致した」と説明する。
ベトナム政府公認の送り出し機関と提携している同社。これまでに自動車整備の分野で、特定技能、または実習生として同国の人材を多数受け入れてきた経験がある。管理部の川尻友美課長は、「ベトナム人の賢さや日本への馴染みやすさを、一緒に働き実感してきた。これらの利点は、今から採用を考える日本企業にも自信を持ってお伝えできる」と語る。
鵜澤課長も、「ベトナムは親日性がとても高い。国同士による二国間協定も結ばれており、政府公認のバックアップがあるため質の高い人材が期待できる」と話す。
ドライバーの採用を望む事業者に対し、現地の送り出し機関から候補者を選定。リモートでの面談を経て人材が確定すると、大型免許の取得や語学、日本の道路事情や文化に関する研修が行われる。ビザ取得の手続き、住居手配や銀行口座開設といった生活面のサポート、来日後の外免切り替えも同社が代行する。
同課長は、来日する人材について、「日常会話が問題なく行える、日本語能力検定N4レベルの方が対象。日本の1日の生活リズムも学んでから来日する」とし、コミュニケーション面のハードルの低さを強調する。
面談から来日までにかかる期間は「半年から1年程度」(川尻課長)を想定。「日本企業側でコンスタントに人材を受け入れる体制が整い、募集がかかる前から準備を始めている人材が増えれば、この期間もどんどん短くなっていくだろう」。
費用は、国内の人材紹介サービスと同様に、採用者の想定月収・年収額に応じた仲介手数料が発生する形。
同課長は、「日本人に対して求人広告を出し、教育や免許取得支援にかかる費用を考えると、それよりは安く済む」としながらも、「制度上、外国人材に対しても日本人の同年齢・同キャリアの人と同じ額の報酬にする必要があり、『ベトナム人だから安い』とするわけにはいかない」と指摘する。
しかし、「募集の段階で『手積み手下ろし』などと記載しておけば、日本人が嫌がるような仕事であっても、内容を踏まえたうえで応募してくるのでギャップがない」とし、「離職率は低い」とアピール。実際に業種は異なるものの、「当社が特定技能や実習生で採用したベトナム人は、今のところ1人も離職していない」という。
採用後はアフターフォローも実施。外国人材を受け入れる側の心得について、「日本人も外国人も関係なく、新しい仲間にどう寄り添うかを考えてあげてほしい。今はスマホという便利なツールもある。お互いが『伝えよう、聞こう』という姿勢を持つことが大切」とし、「自社で外国人を採用してきた実績があるので、その経験を伝えていきたい」(同)と話す。
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