トヨタ輸送の社会貢献活動 安全教育と環境保全

トヨタ輸送(福井弘之社長、愛知県豊田市)では、運送業で欠かせない「安全確保」「環境保全」の観点を軸に、「本業」を通じて、社会貢献活動を続けている。
物流業界では人手不足が常態化。そのなかでも完成車を扱うキャリアカー輸送は、世間一般の認知度が低いことに加え、運送業界のなかでも、ニッチな職種。人手確保とその定着を図る手段の1つとして、ドライバーの技術向上にもつながる安全教育の実施は有効だ。
キャリアカーは教材が少ないにもかかわらず、独自の操作と高い技術が求められる。同社では21年前からドライバーや構内作業員を対象とする、独自の安全教育プログラム「TLEP」を実施。新人・中堅・指導者の層別教育で、内容は座学と実技とあり、年間約200人が受講する。
長期間にわたる同プログラムは、プロフェッショナル人材育成を目的とし、技術を向上させるとともに安全な作業を実現させる。
また、協力会社も受講可能で、キャリアカー業界の安全技術底上げにも寄与。手厚い教育体制は受講者からも好評だという。
一方、環境保全にも力を入れる。2006年、荷主と連携し、名古屋〜盛岡間において自動車部品の鉄道輸送を実施。1列車あたりトラック40台分の輸送能力を持ち、年間約7000トンのCO2を削減。
2014年には、革新的なキャリアカー「T―Model」を導入。同車両のコンセプトは「作業性・安全性の向上」「車両コストと重量の削減」「環境への配慮」。ドライバーが商品車を積み下ろししやすく、安全に作業できるよう設計するとともに、車両の軽量化を追求し、従来の構造を簡素化。
また、最大積載重量を増やしたことで、積台数増やフロア操作の電動化を実現。導入車両数は2024年度では協力会社と合わせて、565台にのぼる。
ほかにも部品輸送用に25mフルトレーラを導入し、大型トラックの約2倍の積載量を実現。積載効率向上で、CO2排出量削減を目指す。
そんななか、数年前から、さらなる社会貢献活動の推進を図る同社。「実態ある活動」という考えから、2023年、モリコロパーク内での植樹活動を開始。イベント性が高く、従業員やその家族が参加した。ほかにも地域の小学生向けに交通安全教室を実施している。
同社の担当者は「社会貢献を通じて、社内外にトヨタ輸送のファンが増えれば」とコメントし、今後も活動を活発に進める方針を示した。
◎関連リンク→ トヨタ輸送株式会社