千曲運輸 浅間山麓でドローン灯油輸送実験
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Image: weekly-net.co.jp
【長野】千曲運輸(中嶋剛登社長、小諸市)は、ドローンの物流活用を推進するため、実証実験を行っている。昨年12月には重量物輸送の実証実験を実施。2月26日、27日には2回目の実証実験として、浅間山麓での危険物輸送に挑戦。同山麓にある天狗温泉浅間山荘から火山館へストーブと灯油を運搬した。
今回の実証実験では、運搬ドローン「DJI FlyCart30」を使用。同機は、最大離陸重量95kg。バッテリー2個搭載時には、30kgの重量負荷で16kmの距離を航行できる。今回は荷下ろし用のウインチ、18Lの灯油ポリタンク、保護ケースを運搬。往復路6kmの山間部を運行した。実験にあたって、離陸側、荷下ろし側それぞれに同社ドローン事業部の社員がスタンバイ。オペレーターを務めた。
今回の飛行は、「目視外飛行(立入管理措置あり)」「危険物輸送」の2項目について関係各所に申請し、許可を得て実施。ドローンスクールを運営する同社として、安全に最大限配慮したかたちで行われた。
実験を行った火山館では、冬場の暖房を薪ストーブに頼っており、室内を暖めるために時間を要していた。運搬手段が徒歩やヘリしかないため、灯油ストーブの使用ができない状況にあった。今回の実験では、徒歩で2時間かかる距離を数分で飛行。実用化に向けて歩みを進めた。
同社は「火山館には浅間山噴火の避難施設の機能もあり、厳寒の時期に命を守る燃料の確保は重要。本実証は大変意義のあるものと考えている」と強調。「迅速かつ効率的に運用できるドローンによる輸送が行えれば、ほかの山小屋や、山間の集落などの問題解決の手段となり得る」とした。
◎関連リンク→ 株式会社千曲運輸