西和物流(萩原良介社長、奈良県磯城郡田原本町)はこのほど、同町でタクシー業を営む西村タクシーと友好的資本提携契約を締結し、同社を西和グループに迎え入れた。西和物流ではこれまで運送事業者に加えて倉庫業者、自動車整備業者などをグループ化してきたが、昨年には兵庫県小野市と愛知県新城市でガソリンスタンド業を手掛ける2社と資本提携を結ぶなど、総合物流企業としての歩みを着実に進めている。

 

同社グループは物流事業、3PL事業(倉庫含む)、インフラ整備事業、美容・医療事業の4つのセグメントから構成されており、総従業員数は600人を超える。萩原社長は「全ての事業を巻き込んで、他社にはできない当社独自の事業を展開したい」との思いを話し、現在、2024年問題解決策の一環としてグループ車両の給油や整備業務、洗車、タイヤ交換などの内製化を進めているが、「自分らでコミュニティを作っていくことで、相乗効果を生んでくれている」と、手ごたえを感じている。

 

「もし、怪我をしてしまったり、高齢でトラックに乗れなくなった従業員がいたとしても、タクシードライバーの仕事や倉庫の仕事であれば支障がないのであれば、会社を辞めずに働き続けることができるよう、グループ内での異動も可能としている」という。また、3か月点検などでは待機時間が発生してしまいがちだが、移動出張整備ができる車両を導入して、トラックが稼働していないタイミングで点検できるようにして待機時間をなくした。さらに大型洗車機を新たに設置したり、長距離輸送のサポート体制ではインフラ(ガソリンスタンド)を中継拠点として活用しドライバーチェンジの施設に整備するなど、2024年問題の解決に向け、ドライバーの働く環境改善に努めている。

 

「すべての事業をつなげて、運送会社ではなく総合物流会社を目指しており、3PLにも力を入れていく」との方向性を示す。昨年6月には、グループ会社の辰巳運輸が大阪に新物流センター「東大阪LC」を完成させ、顧客ニーズに対応し、より信頼性の高い物流サービスの提供を可能とした。

 

「当社では、グループ理念に『日々感謝』を掲げており、お客様に対してはもちろん、エッセンシャルワーカーとして頑張ってくれているすべての従業員にも感謝している」と話す萩原社長。グループの美容関連企業を社員や家族の福利厚生施設として提供するなど、働きやすい職場環境の構築を常に考えている。「従業員とのつながりを大事に、生涯雇用ができるよう、労働環境整備に努めていく。従業員とその家族が誇れる会社、そして地域から憧れられる会社になれるよう、これからも頑張っていきたい」と意気込みを語る。

 

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