豊田合成(愛知県清須市)は、スマートフォンの3Dセンシング機能(LiDAR=ライダー)を活用し、トラックの積載量を容易に算出できるシステムを開発した。

同社の顧客(カーメーカー)の各工場の生産量に応じて最適化するため、従来は積載量の定期確認を目視で行っていたが、担当者によって判断基準のばらつきや確認可能なトラック台数が限られるといった課題を受け、AIと固定カメラを活用した24時間体制の自動荷量算出システムを2023年に開発。同社製品輸送の6割を担う2つの物流拠点に導入し、積載率を高めてきたという。

今回、新たに開発した荷量算出システムは、スマホ内で処理が完結するため、使用場所の制限がなく、LiDARスキャナによる高精度な算出も可能。同社広報室の鈴木千尋氏は、「LiDARを搭載している市販のスマホに専用アプリをインストールして利用している」とし、「中型の4t車まで対応しており、今年度内に大型の11トン車にも対応を予定している」と説明する。

同社は、「このモバイル方式のシステムを活用し、輸送の残り4割を占める国内に分散する生産拠点からの直納ルートなどにも輸送効率の向上の取り組みを広げていく」としている。

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