ENEOSホールディングス(宮田知秀社長、東京都千代田区)では、物流の2024年問題の解決に向けた新サービスを計画している。

ガソリンスタンドをドライバーの休憩場所や配送効率のため中継地点として活用できないかという取り組みで、現在、実証実験に向けて取り組んでいる。

この事業の中心を担うのは、未来事業推進部の天野風人氏。同社では社員から新規事業を募集し、社外の審査員を含め選考を行っている。同氏は「社員発・エネオスの新たな事業の創造と、挑戦マインドの醸成を目的にした取り組み」だと説明する。

 

以前からガソリンスタンドの建設などの事業に携わってきたという天野氏。今回、社内公募にあたり、どんな事業がいいのかいろいろな業界を調べていたところ、物流の2024年問題を耳にした。

「サービスエリアは満車となっていて、道の駅やコンビニも確実に休めないと聞いた。しっかり休める場所があるのだろうか? ガソリンスタンドを活用するのはどうかと考えた」と振り返る。

もちろん事業として成り立つかという部分を含めて、実際に運送事業者に聞き取りをした。トラックを500台持つ大規模な会社から10台ほどの小規模な会社まで広く耳を傾けたという。

結果、「有料サービスでも中規模以上では『休憩にお金を払ってもいい』という声も聞こえた。また、中継地点として使えないかという意見も出た」という。

現在、全国の需給に携わる物流部の池本彩乃氏やシステムを開発する供給計画部次世代サプライチェーン改革グループ奥井康浩氏、ほかにも経理部やリテールサポート部のメンバーからも協力を得て運用に向けて取り組んでいる。

「もともと、ガソリンスタンドはローリーが停められる広さもある。場所によってはフルトレーラで入れるところもある」とし、「休憩場所や中継地点として親和性があるのではないか」と話す。

現在、実証実験を通し、時間貸しや夜間の利用などさまざまな料金体系を検討中。

同氏は「ガソリンスタンドでも賛同する運営店が増えていくには、ビジネスとして継続できる利益がでるのか判断していかなくてはならない」とし、「そのためにはまず積極的にトライアルをしていく」と意気込む。

◎関連リンク→ ENEOSホールディングス株式会社