「物流魂」シリーズで知られるマルイチ(神奈川県厚木市)では、今冬も静電気対策として導電性養生板「カイロン」の活用を提案している。

 

導電性を付与した静電気対策用のポリプロピレン(PP)製で、同社担当者は、「床に設置することで、上を移動する人や台車に静電気が溜まることを防ぎ、物流現場での静電気対策として好評」と説明する。

精密機器類は、人体から発生するわずかな静電気の影響でも簡単に破壊される。たとえば、人がカーペットの上を歩行すると、高湿度(相対湿度65〜90%)の環境下でも約1500ボルト、低湿度(同10〜20%)の環境下では実に約3万5000ボルトに達する静電気が発生するという。「これは、ほとんどのデバイスが容易に破壊されてしまうレベルの数値で、危険な静電気から輸送品を守るためには、静電気を逃し、静電気のない安全な環境を作ることが必要」。

同社の「カイロン」は、ベースとなるPP樹脂にカーボンを練り込み、接触した人や台車の静電気を外部へ逃がす。強度の高い日本製PPバージン材と、導電性の非常に高いカーボンを使用することで、電気抵抗値10⁴~⁶Ωを実現している。

 

 

規格サイズは、「910mm×1820mm」「1000mm×2000mm」の2種類で、希望サイズへのカットも可能。表面には鏡面加工を施工している。また、耐久性も高いため、重量物を運搬する際の養生板としても利用可能だ。

 

 

同担当者は、「一般的な養生板の場合、台車に溜まった静電気は上を通ってもなかなか放電されず、台車に載っている精密機器にまで浸入する恐れがある」と指摘。「カイロンの場合は、台車に溜まった静電気はカイロンを通じて外へ逃がされ、その後も静電気の帯電を防ぐため、安全に精密機器を移動できる」とし、「精密機器の移設作業や、ほこりを持ち込んではいけないクリーンルームへの搬入作業で活躍している」。

 

 

また、「一般的な帯電防止製品は、界面活性剤を塗布することで、製品表面に帯電防止の膜を付与しているが、時間経過とともに効果が薄れてしまう」と、揮発性帯電防止製品の特徴を説明。「帯電防止材としてカーボンが原材料に練り込まれている『カイロン』は永久帯電防止製品で、半永久的に導電性能を持続する」とアピールする。

 

◎関連リンク→ 導電性養生板「カイロン」