損害車のリユース事業を展開するタウ(宮本明岳社長、さいたま市中央区)のグループ会社で物流を担うTGL(原田大助社長、同)は10月16日、「大型不動車輸送ネットワークサービス」の開始を発表した。

不動トラックの長距離輸送は、事故で3600件、故障で5400件、合計で年間9000件発生。一方で、2024年問題によるドライバー不足や、長時間労働の常態化など、さまざまな課題が顕著になっていた。

TGLの原田社長は、「乗用車に比べてトラックの流通は少ない。そのため流通のインフラ整備が遅れ、運賃も高い状況」としたうえで、「当社の輸送ネットワークを生かし、2024年問題にまつわる課題へ対応する」と新サービスを説明する。

具体的には、TGLが持つ全国51拠点(直営11か所、外部委託40か所)のサービスセンターを中継ヤードとして活用し、大型不動車を複数の会社によるリレー方式で輸送する。タウの河内山高広上席執行役員は、「輸送効率を改善することで、ドライバーの長時間労働を解消する」とその意義を説明する。

2022年10月にタウを代表理事として発足したエートス協同組合(協力会社16社)も参加し、TGLの協力会社50社とともに輸送を担う。従来の輸送方式に比べると「日数はかかるが、コストは抑えられる」のが特徴で、トラックディーラーや物流会社などの依頼主はニーズに合わせて選択することが可能だ。

年間で6万台を超える取引を実施している同社は、全国の拠点間を不動車専用トレーラが「定期便」として運行している。この空車便を活用することでさらに輸送コストを低減し、「適正価格で2024年問題に対応した配送を実現する」(同)という。

「新たなサービスで業界全体の意識改善を図りたい」とし、3年後の27年に輸送台数900台、業界シェア10%を目指す。

また、エートスは人材紹介サービスも展開。「特定技能」の監理団体としてフィリピン、スリランカからの人材を受け入れ、即戦力のドライバーとして紹介する動きもある。

 

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