ユニック車両を48台保有し、長尺物や重量物を輸送する柘運送(柘俊光社長、名古屋市港区)では8月から、小型移動式クレーンの操縦訓練にVRシステムを導入。新入社員の練習用ツールとして役立てている。

 

同社が導入したのはVR制作などを手掛けるシンフォニア(東京都府中市)と古河ユニック(同千代田区)が共同開発した「小型移動式クレーンVRトレーニング」。柘社長は、「顧客の荷物で練習はできない」と以前から安全に訓練ができるこうした製品の登場を待っていたという。6月下旬の販売開始直後に柘社長がシンフォニア本社でデモ体験し即決。全国初の導入だという。

 

最近採用したドライバー4人のうち3人が未経験者という柘運送。「ユニックの講習では3日で資格がとれるが技能習得には到底足りない」とし、「当システムを利用すれば危険のない場所で気軽に教育ができるため独り立ちを早められる」と期待。手元を見ずに操作可能になるのが目標という。また、「扱いに慣れた管理者クラスでも、定期的なシミュレーショントレーニングで自身の技量を確認してもらいたい考えもある」。

 

3回目の体験というドライバー歴20年の安全管理課の永尾準二氏は、「操作したとおりに反応するのでとてもリアル。現場に出るまでの育成には大変良い」と評価。

柘社長もさらなる内容の充実を期待してアイデアを伝えている。シンフォニア側は「多くのクレーン操縦者の訓練にお役立ていただき、感想やアドバイスなども参考にしたい」としている。

◎関連リンク→ 小型移動式クレーンVRトレーニング