大和ハウス工業は物流施設「DPL」を全国で開発し業界を牽引、その実績は2024年3月31日時点の着工ベースで、入居者からの要望で開発するオーダーメイド型の開発棟数は211棟・開発延べ床面積は約491万平方m、複数テナントの入居を想定して開発したマルチテナント型の開発棟数は121棟・開発延べ床面積は約804万平方mとなっている。直近では、7月31日に大阪市此花区に常温・冷蔵・冷凍の3温度帯に対応する「DPL大阪舞洲」が竣工、同社では関西エリア第一号となる冷蔵・冷凍施設を開発。今後も冷蔵・冷凍施設の開発も拡大していくとしている。

この事業を担当し建築事業本部を率いるのは、更科雅俊執行役員(建築事業本部長)。

更科執行役員は、現在の東京本店建築事業部に入社。2002年以降に開始した物流施設の流動化不動産「Dプロジェクト」には浦川竜哉常務執行役員とともに参画。データセンター開発や半導体関連の工場建設の始動にも関わっている。

物流施設開発にあたり、更科執行役員は、「社会インフラである物流施設は我々の生活に不可欠な施設。市街地に近接させることで利便性も高まるので、住宅地との共存・調和を図る必要がある。そのためにも安全性や騒音、振動等の問題に対する対策に取り組み、加えて近隣住民の方々に利便性や災害時に安心安全を提供できる施設にしていきたいと考えている」

「その取り組みの一つとして、当社が開発する物流施設『DPL』と、近隣自治体との間で災害時に支援協力できる防災協定の締結を進めている」と説明。
2024年7月31日現在、大和ハウス工業では17自治体と防災協定等を締結しており、災害等の発生時には、共有部や空きスペースを利用して避難者や被災者支援物資等の受け入れなどで協力するという。

すでにいくつかの地域では、この協定のもと、災害等により水没が危惧される場合に、ランプウェイを利用して近隣住民の自家用車を上層階の車路に避難(駐車)させたり、支援物資の受け入れ・保管・搬出の場として提供したりするなど、喜ばれた実績もある。

更科執行役員は、「まだまだ足りない。甚大化する自然災害から地域の方々を守れるよう、迅速に地域の方へのご理解を深め、協定締結を拡大していきたい」と話す。また、これらを含めた「Dプロジェクト」の取り組みや、大和ハウスグループおよびパートナー企業による拠点の紹介と物流現場のDX化を推進するためのマテハン機器など、さまざまなソリューションを、9月に開催される「国際物流総合展」に出展し、その技術を直に見せて説明、紹介をしていく模様。

◎関連リンク→ 大和ハウス工業株式会社