人件費の高騰や人材不足などから、ピッキングを外部に委託するケースが増えてきている。

「長年、地域の女性パートを活用し、カット野菜や加工品の箱詰めなどのピッキング加工を行ってきた」という和歌山県北部の運送事業者。「荷主企業からの依頼で始めた」という同事業だが、「ここにきて人材確保が困難になり、今年初めにやめてしまった」。現在は一部役員と社員だけで最低限のピッキング作業を請け負っているが、「どんな仕事も人材が第一」と胸に刻んでいるという。

 

一方、大阪府東大阪市で配送と保管・ピッキング加工を行う運送事業者は、「人材確保の一環として、障がい者の就職支援に取り組んでいる」と話す。「将来的には、軽度の障がい者の方に働いてもらえる環境作りに取り組んでいく考え。運ぶだけでは他社との差別化は図れず、『走っていくら』では生き残るのも大変。保管・ピッキング加工を軸に人材確保を進めることで、企業の存続を考えていく」

「保管・ピッキング加工」という運送以外の業務を行うことで事業に幅が出る。その上で、いかにして人材を確保していくか。運送会社に進化が求められている。