SDGsの取り組み 企業に与える影響
SDGsの取り組みが運送事業者でも注目されている。SDGsには17の目標と169のターゲットが存在しており、目標1つに対して約10個のターゲットが示されている。例えば大手引っ越し会社では、引っ越しの際に出る梱包資材の削減のために、リユースできる梱包資材を独自に開発している。SDGsの目標とターゲットを分析し自社と関係があるものをピックアップすると、将来のビジネスヒントが見えてくるのではないだろうか。
SDGsが企業に与える影響については、大阪商工会議所は会員企業約3000社を対象に、SDGsが企業経営に与える影響について独自に調査している。
回答した企業の中で、SDGsに実際に取り組んでいるのは32.5%で、社員300人以上の企業では76.1%が取り組んでいるが、300人以下では20.8%と、企業規模で取り組み状況に差があることが明らかになった。300人以下の企業でも、今後取り組むために情報収集などを行っている企業も一定数いた。
SDGsに既に取り組んでいる企業では、取り組むメリットとして最も多く挙がったのが「企業イメージの向上」で、次いで「経営方針の明確化」が続いた。社員300人以下の企業では「新規取引先の拡大」や「売り上げの増加」など、ビジネスに直結するような項目を挙げる回答者も多かった。
また、SDGsに取り組む上での課題は、300人超えの企業では「マンパワー不足」、300人以下の会社では「取り組み方が分からない」がそれぞれ最も多かった。
大阪商工会議所では、商工会議所としては全国で初めてSDGsやESGに対応した有料コンサルティングを行うことが決定しており、今後セミナーやワークショップなどが開催される。
銀行のSDGs私募債で資金調達を行う企業も増えている。日本証券業協会の調査によると、2016年は450件だったSDGs私募債が、2020年には1万5000件近くまで増加している。「内容型」と「寄付型」の主に2種類あり、社会課題の解決に資する事業への関心が高まっていることが伺える。
SDGsの取り組みについては、「弊社にはまだ難しい」と決めつけるのではなく、自社にあったものをまずは探してみるのも1つではないだろうか。
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