信号機のない横断歩道を通過する際に、歩行者が渡ろうとしている場面でしっかり一時停止できているだろうか。一時停止しない場合は道路交通法違反にあたり、横断歩行者妨害に問われることとなる。

今年6月には、横断歩道を渡ろうとする女性のために車が一時停止したところ、その車を大手メーカーの社用車が左路肩から追い越していく行為が発覚。メーカーは謝罪に追い込まれた。

横断歩行者等妨害等違反は、約29万件(2020年)と非常に多い。前述のメーカー社員の一件と同様、会社の看板を背負って運転を行うトラックドライバーこそ、歩行者優先を当たり前にできていなくてはならない。

大阪府の事業者社長は「横断歩道を歩行者として渡るときに、止まってくれた車を後続車が追い越してくるのはよくある。『轢かれるのでは』とヒヤッとする。交通マナーがきちんと実践できてこそプロなので、改めて研修会などで徹底させたい」と話している。

近年はドライブレコーダーの装着率が高まったことに加え、防犯カメラも多く設置されているため「監視されている」という意識が生まれ、ルールを守るドライバーが増えてはいるものの、割合としては依然低いのが現状だ。

他にも「横断歩道や自転車横断帯とその手前から30m以内の場所では、他の車を追い越したり、追い抜いたりしてはいけない」などのルールも。横断歩道付近に限らず、交通ルールを守って思いやりのある運転を心がけたい。