金丸運送店(広島県福山市)の橘高常泰氏(40)は、先代で父親の祥吾会長の後を継ぎ、7月1日に4代目の社長に就任した。「運送会社が世間から持たれるイメージの真逆を行きたい」と社内の変革を進めている。

ビジネスウェアの青山商事とそのグループ会社を経て、30歳で金丸運送店に入った社長。家業とはいえ当初は運送のことは右も左も分からない状態。それでも事務、ドライバー、配車と全ての業務に励んできた。

「うちは昔ながら、家業ならではの〝なあなあ〟な所があった。これまで組織が体系的でなかったが今回部長・課長のポストを置き、ルールも明確にした」。厳しいと評判の会計事務所のお世話になることにし、数字と向き合う毎日。経営の指針や中長期的な計画なども策定中で「家業から企業にシフトさせる」と意気込む。

入社当初は、昔の職人気質が強いドライバーが多く、対応に苦労することも多かったそうだが、今は顔ぶれも変わった。「抽象的だが、『やりたいことをやりたいと言ってくれるメンバーと、思い切って行動する』のが今後の目標。そういう人材が集まり、育ちつつある」と話す。

社長の右腕的存在で配車を担当する部長と共に運行の見直しを進めており、「新規取引を拡大させていきたい」と考える。また、社長として「社員を信用し、会長に安心してもらえるような会社にしたい。それがいつも自分を受け入れてくれる父への恩返し」とも話している。

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