昨年9月、川西倉庫からフジホールディングスへ株式が譲渡され、フジホールディングスのグループ会社となって新たなスタートを切った関汽運輸(大阪市住之江区)。それに併せて新社長に就任したのが奥園浩二氏(65歳)だ。

奥園氏は近畿高速郵便で18年間勤めたのち、郵政民営化の流れを受けて同社が整理・解散となったため、縁あって富士運輸(松岡弘晃社長、奈良市)に転職。同氏はその当時のことを、「長年、郵便輸送一筋でやってきたので正直、『郵便はもういいかな』となり、富士運輸では航空貨物の業務を希望して入社した」と振り返るが、ほどなくして松岡社長から「当社もこれから郵便に力を入れたいから協力してほしい」と言われ、引き続き郵便業務に注力することに。当時は郵便輸送業界では新規参入組の富士運輸だったが、松岡社長が競争入札に果敢に挑戦し、契約便を拡大。また、奥園氏が長年培ってきた経験と人脈を生かしてきたことで相乗効果を発揮し、契約便を大きく増やしていった。

そして昨年6月、奥園氏は松岡社長から、フジホールディングスが郵便輸送をメインとする関汽運輸をM&Aでグループ化することを聞き、そして、関汽運輸の社長になってほしいと打診され、受諾。9月4日付で正式に社長に就任した。当時の心境を「一昨年に妻が他界したこともあり、定年退職して一人でつらい日々を送るより、もう少し仕事を頑張ってみようと思った」と語る奥園氏。

社長に就任しての抱負として、「収益を生む企業への体質転換が急務となっている。現在は郵便輸送業務が主体だが、収益確保の観点から今後は、郵便輸送は大事に維持しながら、また、従来の関汽運輸のいいところを生かしながら、新規業種にも果敢に挑戦して企業体質の改善に取り組みたい」と意気込む。「新型コロナウイルスの影響を受けて厳しい経済情勢ではあるが、フジホールディングスグループとなったことを契機に、会社の改革を実行する一方で、着実に業績を積み重ね、将来を見据えて『安定した経営基盤を築く』ことを今後の目標として、会社のためにも、そして従業員のためにも、目標が達成できるよう全力で頑張りたい」と力強く語る。

◎関連リンク→ 関汽運輸株式会社