リアライズコーポレーション(東京都港区)はこのほど、富久山自動車教習所(福島県郡山市)の発行済み全株式を取得し、自動車教習所事業への参画を発表した。教習所の閑散期を利用し、顧客運送事業者のドライバーの免許取得を支援する。

 

同社のサービスを利用するユーザー企業は、一定の条件のもと、大型やけん引免許の取得費用の補助を全額受けることができる。同社の今福洋介社長は、「当社は、車両調達の手段として、『買う』から『借りる』へのビジネス転換を提案してきた。教習所事業への参画は、今後、日本の産業を支える運送会社の経営を、よりサポートするためのもの」と説明する。

 

「2024年問題に起因するだけでなく、運送業界は慢性的にドライバー不足に陥っており厳しい状況」と指摘する同社長。「その中で、我々に何ができるかを考えたときに、ドライバーさんは待っていても来ないなら、『作り出す』しかないとの考えに至った」と明かす。

 

「一方で、教習所も人口減少でマーケットは縮小しており、学生が普通免許を取得する春休みや夏休みは繁忙期となるものの、それ以外の閑散期は苦戦されている。特に教習所が必要な地方ほど苦しいのが現実」と説明。「大型やけん引免許を取得したい当社ユーザーのドライバーさんが、当社グループの教習所に通っていただく、あるいは合宿で免許取得を目指すことで、双方の課題を解決できる」という。

 

「住む家は賃貸も主流。トラックも、冷蔵車が必要になったら『買う』のではなく、『借りる』ことで個別の案件ごとに採算が取れるようになる」と例を挙げて説明する今福社長。「仕事が急に途切れた場合でも、仕方なく安い荷物を取りに行くこともなくなる」とも。

 

同社長は、「教習所事業も、今後、さらなる展開を目指し、金融面とあわせて運送業界を多角的にサポートしていきたい」と語る。

 

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