佐貞商店(宮城県塩竈市)の佐藤亘社長が普及を進めている「段ブロック・プロジェクト」が、運送業界で広がりを見せている。3月には、静岡県トラック協会中部分室青年部が主催する地域貢献事業に協力するなど、地域貢献、あるいは企業PRのツールとして注目されている。

段ブロックとは、ダンボールでできた安全でエコなブロックのことで、1個がティッシュ箱サイズというスケール感があるブロックで、自由にオブジェを作ることができる。同社では、段ブロックを活用してのイベント企画、運営などもサポート。企業向けに、オリジナルロゴ入りの段ブロックも作成可能なほか、各種団体・企業のCSR活動や地域貢献として、児童施設やキッズルームなどへの「寄付」としても活用されている。

3月に開催された静ト協中部分室青年部(橋口智規代表)主催の「段ブロック『小山城』制作イベント」は、吉田町立わかば保育園年長組卒園記念として実施されたもの。継続的に地域貢献事業に取り組んでいる同青年部が、「コロナ禍の閉塞した雰囲気の中だからこそ、明日につながる楽しい思い出を残してあげよう」と企画したもので、3月に卒園する園児に、段ブロックで町のシンボルである小山城を制作してもらうアニバーサリーイベントとして実施された。

イベントは大いに盛り上がり、佐藤氏は、「コロナ禍でも子どもらが遊べるようなイベントを提案したところ受け入れていただけた。園児らはとても喜んでくれて、トラック協会の人たちも積極的に取り組んでくださった」と当時の様子を振り返った。

一方、昨年末には富士運輸(松岡弘晃社長、奈良市)が主催する衝突軽減ブレーキ装置のテスト会と、セノプロトラックスの展示会の2回にわたって協力。こちらは、富士運輸のトラックのレプリカを段ブロックで制作して展示したもので、その迫力と珍しさで来場者から大きな関心を集めたという。

これらのイベントを通じて、「運送業界は、段ブロックの様々な用途を教えてくれる」と佐藤氏。「運送事業者が頑張ってくれているから、われわれ国民は安心して生活することができる。重要な役割を担っている業界であるということを子どもたちにもっと知ってもらい、物流への理解を深めてもらいたい。お互いの理解が深まればギャップが少なくなり、運送業界に入りたいという人も増えてくるのではないか。そういうイメージアップというところで、これからも段ブロックがお手伝いできれば」と思いを語る。

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