成田国際空港(NAA)は4月10日、同空港貨物管理ビルで2回目となる、成田空港で航空貨物を取り扱う事業者による「2024年問題対策協議会」を開催。2月27日に開催された第1回では、関係各所の取り組みや課題が話し合われ、問題の可視化と共有を行った。

前回と同様、運送事業者を代表して千葉ト協の池田和彦会長(池田自動車運輸社長)をはじめ、フォワーダー、通関業者、上屋事業者らが出席。

同協議会の宇野茂会長(NAA執行役員営業部門貨物営業部長)は、「4月になり現場は待ったなしの状況。1回目の協議会で問題の深刻さと課題が共有できていたので、今回はぶつかり合うというよりは解決に向けた前向きな話し合いができたと思う」と述べた。

具体的には、現在輸出航空貨物を対象に導入済のトラックドックマネジメントシステム(事前受付・車両呼び出しシステム)を、輸入航空貨物でも導入する案を提案、今後具体的に導入に向けた検討を進めていくとした。

 

「ドライバーにとって、待ち時間の見える化ができていないのが最大の問題」と宇野会長は指摘する。同システム導入により、ドライバーは専用アプリを通じて各上屋への貨物引取り予約、そして各上屋の混雑状況が確認できるので、空港滞在時間削減につながるとしている。さらに、スロット制(1時間当たりの予約受付数上限)の導入も視野に入れるという。

 

中長期的な対応が必要とされる、荷主に対する午後帯や翌々日以降の納品要請については、「どのルート」で「誰に要請」するのが効果的か検討が必要だとした。また、休日明け、夕方以降に集中する貨物引取りの分散については、短期的な解決が困難であるとし、今後丁寧に分析した上で解決に導く構えを示した。

 

千葉ト協の池田会長は第2回の協議会を終え、「時間外労働の上限規制に違反すれば運送事業者が罰則を受ける実態について今一度認識いただき、改善の方向性として貨物の早朝引取り等も有効であることを伝えた」と述べた。
「改めて物流問題は国民、日本全体で考えるべき。とりあえず早い方がいいだろうと殺到して荷待ちが発生する。色んなユーザー、業界の方々に理解していただく必要がある」と宇野会長は訴える。

 

次回協議会では、今回の方向性をより具体的に詰めていく予定だ。

 

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