プロドライバーも愛用する道路地図「スーパーマップル」の発行で知られるマップル(東京都千代田区)は、業務用カーナビシステム「配走ヘルパー」を今年1月から発売を開始した。走行軌跡をルートとして道案内できる機能を搭載しており、決まったルートを走る業態に適しているという。

同システムは、「走行軌跡から作成したコースに対する案内」機能を実装。第二事業部の佐光裕之氏は、「走行軌跡をもとに走行ルートと経由地を組み合わせたコースを作成し、通常のカーナビと同様に音声やイラストによる道案内を行う」と解説する。
「他社製品の場合、走行軌跡をもとにコース表示を行う機能はあるが、『地図上に線が引かれるだけで、道案内はされない』というケースが多かった」と指摘。「当システムは、通常の道案内同様、音声と表示での案内が可能。使い勝手がよいのでは」と胸を張る。

想定される利用シーンとして、「大規模商業施設への搬入時」を挙げる同氏。「ナビではゴール地点に正面入り口が指定されても、別の入り口に搬入しなければいけないことも多々ある。一度、搬入口まで走行すれば、その後はそのルートを案内できる」。
また、「ドライバー業務の引継ぎにも役立てられる」とも。「路駐が多い道路や通学路を避けたルート、交差点を曲がってすぐの場所に停車することを避けたルートなど、ドライバーさんが実際に走行して培った安全なルートがある。横乗りの時間を削減でき、新人ドライバーさんも安心では」と付け加える。

同システムは「業務用カーナビSDK」ユーザーから、「利用シーンに合わせたものがほしい」という声に応えたもの。「機能は最低限のものに絞り、低価格を実現した」と経緯を語る。

ナビ単体で使えることを前提に開発しており、専用タブレットにインストール済みのものを提供。「お店で電化製品を買うようなイメージで、そのまますぐに利用いただける」。

タブレットは8インチサイズ。「地図が見やすく、ダッシュボードに設置するのに邪魔にならないちょうど良いサイズ」と話す。Androidを搭載しており、SDカードで複数の端末へのルートのコピーも可能。

1台あたり255コースを登録でき、経由地は1コースにつき30地点までを推奨。位置情報はGPSに加え、GNSS(みちびき=準天頂衛星)に対応しており、「GNSSが拾えるエリアであればGPSよりも高い精度で利用できる」と説明する。

「片手に地図を。もう一方にはアイデアを。」をミッションに掲げる同社。佐光氏は、「地図に付加価値をつけることで、安心安全を追求したい」と熱く語った。

◎関連リンク→ 株式会社マップル