岡山発着に特化した求車求荷サービスを提供する岡山流通(岡山市南区)は4月1日付で川上修成専務(47)が社長に昇格。創業者で前社長の川上文行氏は会長となる一方、2016年9月設立のマスカット物流(一般貨物運送)は引き続き社長として経営をけん引する。

 

岡山流通は来年に創業30周年を迎える。早い時期からシステム開発(WARCS)を積極的に進め、小規模なトラック事業者の営業面を支援するとともに、荷主企業と運送会社の間で物流を活発化させてきた。「双方の“困った”という部分に寄り添うこと…その原点に立ち返りたい」と着任に当たって思いを口にする川上社長。

一昨年の1月に県が手掛ける中小企業デジタル化推進支援事業に採択されたのに続き、今年1月には県内の利用運送事業者として初めてDX認定事業者(経済産業省)となった。情報処理の促進に関する法律に基づき、デジタルガバナンス・コードの基本的事項に対応する企業を認定するもの。

 

「だれにでも(会員でなくても)わが社が持っている求車・求荷情報を見てもらえる」という構想は昨年末、新しい求車求荷マッチングサービス「ハコぶんぶん」として運用を始めた。「いつでも、だれもがWeb上から荷物・空車情報を確認できる」「面倒なアカウント登録などは不要」という使い勝手のよさにこだわっており、約3000社との取引情報を公開することで生産性の向上も期待。

 

事業計画経営方針発表会を毎年開いているが、新体制となった今回は4月6日に実施。ドライバーも含めたグループ2社の全従業員を前に、川上社長は「現在のビジネスモデルの殻を破って時代に適合し、会社を維持・発展させていく。そのために創業の思いと精神を引き継ぎ、さらに進化させたい」と力を込めた。

 

今年5月で入社から丸25年となる同社長。働き方改革によって物流の仕組みが大きく変わろうとするタイミングのバトンタッチとなったが、「多層構造の中間ではなく、わが社が元請けもしくは、元請けと取引する1次事業者となり、実運送会社とダイレクトにつながる立場になれるように注力したい」と話す。

 

◎関連リンク→ 岡山流通株式会社