2024年4月にドライバーの残業時間制限が始まって以来、約1年4ヶ月が経過しました。この「輸送業界の労働改革」は、私たちの生活コストにどう響いているのでしょうか？

 

メディアでは頻繁に「配送費高騰が物価上昇の主因」という論調を見かけますが、実態はどうなのでしょう。興味深いことに、企業の売上における物流経費の割合は約5%、そのうち輸送費は3%程度に過ぎません。トラック料金の上昇率も3%前後であることを考えると、二桁の価格上昇の主犯として輸送コストを名指しするのは適切でないと言えるでしょう。

 

NX総合研究所の四半期調査によれば、2024年4～6月期に急上昇した運賃指数は、2025年4～6月期には45まで落ち着きました。これは規制前の水準に近づきつつあることを示しています。ただし、この指数は上昇「傾向」を示すもので、具体的な上昇率までは把握できない点に注意が必要です。

 

あなたの買い物かごの中身が値上がりしている理由は複合的です。最近の調査では、荷主企業への影響と、それに対する企業の戦略的対応が明らかになりつつあります。2025年6月に実施された追加調査では、各企業の担当者が選択式の質問に答え、この問題への対処法を示しています。

 

結局のところ、私たちが日常で感じる値上げの背景には、輸送コスト以外にも様々な要因が絡み合っているのです。企業はこの変化にどう対応し、消費者である私たちにどのように価格転嫁しているのか—その実態が徐々に明らかになってきています。

 

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