自動車部品産業に衝撃が走っている。チャプター11（米国破産法）を申請したファースト・ブランズ・グループが、事業存続のための新たな資金源確保に動き出した。皮肉なことに、企業が崩壊に至った原因と同じ手法—売掛金を活用した資金調達—に再び目を向けている。

 

「企業再生には資金が不可欠です。あなたなら、過去の失敗をどう教訓にしますか？」と問いかけたくなる状況だ。情報筋によると、同社の財務アドバイザーであるラザードは、すでに新たな資金提供者の探索を開始。約1700億円相当の緊急融資を提供した主要貸付機関も、この新構想に興味を示しているという。

 

新しい与信枠では、請求書担保による融資システムを根本から見直す。売掛金から生じる現金の流れを厳格に管理し、以前発生したような致命的問題を回避する仕組みを導入するようだ。同社は長年、サプライチェーンファイナンスやファクタリングといった短期資金調達に大きく依存してきたが、これが崩壊の引き金を引いた。

 

裁判記録からは衝撃的な事実も明らかになっている。一部の調達資金は架空または二重担保された請求書に基づいていた可能性があり、企業は先週、前CEOを会社資産の不正流用で提訴した。

 

それでも関係者たちは、蓄積された売掛債権の活用に価値を見出している。年間売上5000億円規模への回復を目指す同社にとって、緊急融資より低金利での資金調達手段となり得るからだ。自動車部品業界の今後を占う試金石となるかもしれない。

 

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