デジタル時代の移動手段はどう変わるのでしょうか？11月12日、位置情報技術を提供するHERE Technologiesが開催した説明会では、自動車産業におけるソフトウェア重視の流れが加速し、特に中国企業が革新的なアプローチで存在感を高めていることが明らかになりました。

 

世界中で約2億2千万台の車両がHEREのデータを活用しています。さらに5400万台以上が先進運転支援や自動運転機能に同社の地図技術を採用しているのです。オランダを拠点とするこの企業は日本でも1996年から活動し、三菱商事やNTTといった企業と戦略的な関係を築いています。

 

「従来型の自動車メーカーと中国企業では開発アプローチに明確な違いがある」とアジア太平洋地域担当のディオン・ニューマン氏は指摘します。中国企業はシリコンバレー流の素早い開発サイクル、部門横断的な連携、ユーザー体験重視の姿勢を貫いています。一方で従来型メーカーは完璧主義と市場調査に基づく慎重な開発を好む傾向にあります。この違いが、将来の自動運転普及率にも影響するかもしれません。2035年時点で中国では約8割に達する見込みですが、日米欧では5割未満と予測されているのです。

 

日本市場でも革新的な取り組みが進んでいます。ソニー・ホンダモビリティの「AFEELA」にナビゲーション技術を提供するほか、パイオニアとバイク向けナビゲーションの共同開発も展開中です。「二輪車向けは四輪車と異なるユーザー体験が求められる」とHERE Japan代表の枝氏は説明します。例えば、雨天時には事前に天候変化を通知するなど、ライダーの安全を考慮した機能が重要となるのです。

 

あなたが次に乗る車やバイクは、どんなソフトウェア体験を提供してくれるでしょうか？技術革新の波に乗り遅れないためにも、こうした業界動向に注目する価値があるのではないでしょうか。

 

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