「気付かないうちにトラックのボディに傷が付いていた」
「駐車中にうっかりミラーをこすってしまった」

トラックに付いてしまった傷に自分で対処できないか、傷消しの方法を調べているドライバーも多いのではないでしょうか。トラックの傷は浅いものであれば自分で傷消しができます。

今回はトラックでの傷消しについて、具体的な方法や押さえておきたいポイントについて解説します。

トラックの傷消しは状態の確認からはじめる

トラックのボディやパーツ部分に付いてしまった傷。自分で傷消しをするなら、まずは傷の状態を確認することからはじめましょう。

トラックの傷は、傷の深さや範囲、状態によって「自分で対処できる」ものと「専門業者に任せる」ものに分けられます。傷のダメージが深刻な場合は、自分で傷消しをしたことでかえって状態が悪化してしまうケースもあるため、まずは傷の具合を確認することからはじめましょう。

トラックの塗装の構造│クリア層の傷なら自分で傷消し可能

では自分で対処できる傷かどうか見分ける上での基礎知識となる、トラック塗装の構造について説明します。

トラックのボディの表面はいくつかの層に分かれています。この層をごく簡単に説明すると、外側から

・クリア層
・カラー層
・下地層
・ボディ層

の4つに分けることができます。「ボディ層」とは鉄板や樹脂の部分で、トラックの土台となる部分です。「下地層」とはボディ層にサビ止めなどの下地を施した層で、その上に「カラー層」と呼ばれるボディカラーを決める層が重なっています。「クリア層」はボディの一番外側の部分にあたり、ボディの保護やツヤを出す透明な層のことです。

一般的に自分で対処できる傷とは、もっとも外側にあるクリア層の部分です。これより下のカラー層や下地層まで達した傷は自分で傷消しをするには難易度が高く、専門の業者に依頼するのが無難です。

具体的なクリア層の傷の目安として、

1.爪で塗装面をなぞってもほとんど爪がひっかからない
2.傷の周辺に水をかけると傷が消えて見える

といった特徴があります。爪がひっかかるほどはっきりと凹凸がある場合や、水をかけても傷が視認できる場合は、無理せず専門業者に修理を依頼しましょう。また、へこみ傷は物理的にボディがへこんでしまっている状態のため、傷消しでの修復は不可となります。

トラックの傷消し方法は大きく2つ

では自分で対処できる場合の、トラックの傷消し方法について見ていきましょう。トラックの傷消し方法には大きく2種類があります。

タッチペン

タッチペンとは、トラックの車体についた傷や軽微な塗装の剥がれに対処できる、ペンタイプのアイテムです。「タッチアップペン」や「タッチペイント」といった名称でも呼ばれており、手軽に車体の傷消しをおこなうことができます。

タッチペンの選び方

タッチペンはトラックのカラーに合わせてさまざまな種類が販売されています。運転席の下やバンパー部分などに、車体のカラーナンバーが記載されているので、車体と同じカラーのタッチペンを選びましょう。

タッチペンの使用方法

タッチペンを使用するには、まず下準備として車体を水洗いしましょう。これは車の汚れやワックスの油分を洗い落とすためで、きれいにタッチペンの塗料が定着するための下準備です。

次に傷消しをしたい部分の周囲をマスキングテープで保護しましょう。タッチペンの塗料が周囲の傷以外の場所に付着しないための工夫で、仕上がりがきれいになります。

マスキングテープで保護したら、タッチペンで点を打つように傷を塗っていきましょう。マーカーペンのように傷に線を引く方も多いですが、傷の凹凸に合わせて傷消しするなら「点を打つよう」な方法がおすすめです。何度か塗装と乾燥を繰り返して、傷部分が塗料で盛り上がる程度まで進んだら、マスキングテープを剥がしてしっかり乾燥させてください。

最後に、耐水ペーパー(防水の紙やすり)を濡らした状態で、盛り上がった塗料を研磨して高さを揃えてあげます。耐水ペーパーの番手(※)が小さいものから研磨し、徐々に小さい番手のもので仕上げていきましょう。

※番手の数字が小さければ目が粗く、大きければ目が細かい

コンパウンド

コンパウンドとは、トラックや車の傷消しに使用される研磨剤のことです。車体に付いた傷を「削って磨き落とす」ことが目的で、傷そのものを埋めるのではなく、削り取って目立たなくしてくれます。

タイヤの素材もコンパウンドと呼ばれますが、カー用品業界では「コンパウンド=研磨剤」の意味で広く用いられています。

コンパウンドの選び方

コンパウンドを選ぶ際は、まず研磨力の指標となる番手から選んでいきましょう。本記事ではクリア層に付いた傷を対象とした傷消し方法をご紹介していますが、クリア層なら極細目から超微粒子と呼ばれる2000〜3000番以上の番手を選びましょう。

またコンパウンドには液状タイプとペーストタイプがあります。液状は粒子が細かく、ペースト状の方が粗い傾向にあります。その他にも、液状は伸ばしやすく広い面積への施工に適している反面、液が垂れたり乾燥しやすいのがネックです。ペースト状は、やや伸びにくいものの乾燥しづらく、垂れ落ちにくいため垂直部分の施工に適しています。

コンパウンドの使い方

コンパウンドで傷消しを行う場合も、まずは車体を水洗いして汚れを落とします。 次に、コンパウンドをクロスやスポンジに適量つけて、傷がついた部分を磨いていきます。磨く際はあまり力を入れず、傷にそって真っ直ぐに磨きます。円を描くように作業してしまうと、仕上がりにムラが出てしまうので注意が必要です。力を入れすぎるとボディが変色してしまうので、ゆっくり丁寧に作業を進めてください。

傷が目立たなくなってきたら、粒子の細かいコンパウンドで仕上げていきます。

クリスタルリフレッシュ│傷消しから水アカ落とし、撥水までこれ一本でOK!

ジェットイノウエ(JET INOUE)のクリスタルリフレッシュなら、トラックのドアノブやボディの「傷消し」だけでなく、「汚れ落とし」「水アカ落とし」「ワックス」までこれ一本で同時に施工できます。

特殊なコンパウンドと3種類のシリコンを配合することで、傷消しだけでなく強い艶と光沢、高い撥水効果を発揮。液状タイプで広い範囲に伸ばしやすく、大型トラックのボディでも作業がしやすくなっています。使用前には容器をしっかり振り、クロスに適量を取ってから磨く→拭き上げるの順番で作業をおこないます。

施工後には、コーティング剤のクリスタルコートでの仕上げがおすすめです。クリスタルリフレッシュと同じ成分を使用しており、水洗い後にスプレーして拭き上げるだけで「超撥水・艶出し・防汚」の3つの効果を発揮します。

まとめ

今回はトラックの傷消し方法について詳しくご紹介しました。

トラックの塗装は外側から「クリア層」「カラー層」「下地層」「ボディ層」の4つの構造に分けられます。一番外側のクリア層に付いた傷であれば、自分でも対処することができますが、それ以降の層は傷が深く専門業者に修理を依頼するのがおすすめです。

クリア層の傷か見分けるには、

1.爪で塗装面をなぞってもほとんど爪がひっかからない
2.傷の周辺に水をかけると傷が消えて見える

といった方法を試してみましょう。また、傷消しの方法としてタッチペンを使用する方法とコンパウンドを使用する方法があるため、自分のお好みの方法で対処してください。