ミキサー車のドラムってエンジンを切っても回っているの?

今日のお題はこれじゃよ。
ドラ博士
あー、止めるとコンクリートが固まっちゃうから、エンジン止めてる時はどうなるのかなって気になりますよね。
ドライバーさん
ンム。まずはそこの誤解から解いていこうかの。
ドラ博士
誤解、ですか?
ドライバーさん
の、前に、一般的にミキサー車と呼ばれとる車は、実は
『アジテータ車』って言うんじゃよ。
ミキサー車は、トラックのドラムの中に材料を入れて練り混ぜながら走る車なんじゃけど、アジテータ車は
工場で練り混ぜたコンクリートをドラムに入れて各藩(かくはん)しながら走る車
なんじゃ。
今はアジテータ車が主流じゃから、ミキサー車=アジテータ車じゃね。
一般的にはミキサー車じゃけど、ここではアジテータ車で進めるぞい。
ドラ博士
アジテータ車のドラムが回っている理由は、分離するのを防ぐ為・・・なんじゃよ。
固まらないようにしているんだと思っていました。
ドライバーさん
まぁ、そういう意味合いも無くはないんじゃけどね。
生コンはセメント・砂・砂利・水・混和剤を空気を入れながら混ぜて作られるんじゃけど、均一に混ざらないと砂や砂利がダマになったり、偏ったり、水と砂が分離したりして、強度や耐久性、耐水性が悪くなる等の影響が出るんじゃよ。
ドラ博士
だからドラムを回して均一になるようにしているんですね。
ドライバーさん
ンム。アジテータ車のドラムの中には、ブレードと呼ばれる螺旋状の羽が取り付けられていて、それが回転することで分離を防いでおるんじゃ。さて本題じゃ。
ドラ博士
アジテータ車のドラムは
生コンを積んでいる時だけ回っている・・・んじゃよ。
アジテータ車の中には生コンが入っているんじゃないんですか?
ドライバーさん
アジテータ車は生コンが固まらないように混ぜながら乗せておく車じゃなく、生のコンクリートを新鮮な状態で目的地まで運ぶ車なんじゃよ。
生コンは『生』って言う通り、生モノじゃから、鮮度が大事なんじゃ。
産業標準化法っていう法律があるんじゃけどね。
その法律に基づいた規格を日本産業規格、通称JIS規格っていう、国が定めた規格があって、そのJIS規格では、
生コンの運搬時間は、生産者が練混ぜを開始してから運搬車が荷卸し地点に到着するまでの時間は1.5時間以内と定められておるんじゃよ。
ドラ博士
1.5時間ってことは90分!? 短い……!!
ドライバーさん
つまり、生コンを積んでいる時間が凄く短いんじゃ。
ドラ博士
積んで出した後って固まっちゃわないんですか?
ドライバーさん
固まるぞい。だから、通常は生コンを卸したらドラムの中に残っている生コンや生コンを流し込むホッパーや生コンを卸すシューターと言った部位をアジテータ車に積んである水タンクから高圧ガンを使って洗い流してから工場に戻るんじゃ。
たまに道路の隅っこで洗っているのを見たことがある人もいるんじゃないかの?
その際洗った時に出た水は洗い水といって、
法律で流すことが出来ないから、ちゃんとタンクに入れて持ち帰る
んじゃよ。
で、工場についてから再度しっかり洗浄しとるんじゃ。
アジテータ車は、洗浄がとても大事なんじゃね。
ドラ博士
つまり、生コンを入れる前と卸した後はドラムの中はからっぽ、つまり、エンジンを切る時には生コンは入っていないから止まってる?
ドライバーさん
左様!
だから帰りは中に生コンは入っとらんからドラムも回さんし、エンジンを止めればドラムも止まるぞい。
今はアイドリングストップ搭載のアジテータ車もあるそうじゃよ。エンジンを止めている時はサブポンプとモーター、増設バッテリーとかでドラムを回しているそうじゃ。
繊細で賢い車、それがアジテータ車なんじゃよ!
ドラ博士
無骨な印象だったんですけど、ハイテクなんですね。
ドライバーさん
アジテータ車は、中身が生コンじゃから、手積手卸しが無いんじゃよね。
レバー操作だけだから、女性でも安心して出来る仕事なんじゃよ。
それに積み込みから荷卸しまでの時間が短いから、実労働時間の割に年収は高めなんじゃよ。
ミキサー車、もといアジテータ車に興味がある人は是非、求人を覗いてみると良いぞい!
ドラ博士
ドラEVERの求人サイトにはミキサー車で載っているんですね。
ミキサー車の求人、リンク貼っときますね。 ここです。
ドライバーさん

次回は8月17日更新予定です! お楽しみに!