ドラ日和　-39-

物流業界の年末は大忙し

年末年始は物流業界において最も繁忙な時期であり、11月上旬から1月上旬にかけて物流業務が急増するのは、様々なイベントや商戦が同時に起こるためです。
クリスマスや大晦日・お正月などのイベントに伴う贈り物や年賀状の輸送だけでなく、メーカーから卸売業者への商品の輸送量も増加します。
企業は休暇に入る前にお歳暮などの手配を急ぐため、物流業界もその影響を受けることが大きいです。この季節は日々が非常に忙しくなりますが、その分売上を大きく伸ばすチャンスでもあります。
しかし、このピークシーズンは物流ドライバーにとっても様々なストレスや危険が潜んでいます。
急いでいるためにスピードを出してしまったり、疲労が蓄積して注意散漫になったりすることで、年末の交通事故が増加する傾向があります。
実際、12月は1年の中で最も交通事故が多発する月であり、その背景には慌ただしい年末の焦り、日照時間の短さや路面の凍結、交通量の増加などが挙げられます。

慌ただしさから生まれる焦り

年末年始、家でゆっくり過ごすために早めに仕事を片付けてしまおうと考えている方も多いでしょう。
また、営業先への挨拶回りや年賀状の手配など、雑多な用事が増えることで、普段の仕事に手が回らなくなることがあります。
ご家庭でも年末年始の買い出しや大掃除、クリスマスやお正月の準備で慌ただしくなることがあります。焦るあまり安全確認を怠ってしまうと、重大事故を引き起こしてしまう危険性が高くなります。
車間距離をとり、法定速度を維持し、周囲の安全確認をしっかり行うことが重要です。

交通量の増加

12月はクリスマスやお正月、お歳暮などの影響で、物流トラックや配送車が増加します。
この時期にはインターネット通販を利用してプレゼントやおせちを手配する方も多いでしょう。
道が混んでくるとドライバーにも焦りが生じ、ついついスピードを出してしまったり、急な割り込みをしてしまうといった、普段では行わないような危険行為に繋がることがあります。
ハンドルを持つ全ての人が譲り合いの精神を持ち、事故を起こさないために防衛運転をすることが必要です。

日照時間の短さや路面の凍結

12月は1年の中でも日照時間が最も短く、暗い時間が長くなります。
これは夜間視力と呼ばれ、人の目は明るさによって光を取り込む瞳孔の大きさが変化します。
日中はっきりと見えていたのに、夜はなんだか見えにくい、そんな経験をしたことがあるかもしれません。
また、地域によっては積雪や路面の凍結によってスリップ事故が多発する季節です。
スリップ事故は制動距離が長くなるため追突事故が発生しやすく、多重事故に繋がる恐れがあります。
雪道や凍結路を走行する際は、注意して運転しましょう。

これらの理由から、ドライバーは特に年末年始には事故発生のリスクが高まることを認識し、焦りやイライラに負けずに冷静な運転を心がける必要があります。
歩行者や自転車の方も安全な行動を心掛け、交通事故の発生を防ぐ努力が求められます。